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プロテインスコアアミノ酸スコア

 プロテインスコアとアミノ酸スコアの違いは、基準にする必須アミノ酸の数値の違いから来ます。

1)プロテインスコア
 1955年、国際連合食糧農業機関(FAO)タンパク質必要量委員会が、人体のアミノ酸必要量を基準とした比較タンパク質を設定しました。このアミノ酸基準配合と食品タンパク質のアミノ酸組成を比較して、栄養価を算定したものを「プロテインスコア」といいます。

1955年FAOによる比較タンパク質
アミノ酸 イソロイシン ロイシン リジン 含硫アミノ酸
メチオニン
シスチン
芳香族アミノ酸
チロシン
フェニルアラニン
スレオニン トリプトファン バリン
比較タンパク質 270 306 270 270 360 180 90 270

(mg/窒素1gあたり)

2)アミノ酸スコア
 1973年、FAO/WHOの合同特別専門委員会は、プロテインスコアを算定するための比較タンパク質のアミノ酸配合を改訂して、暫定的アミノ酸パターンを発表しました。これを基準にして求めた値を「アミノ酸スコア」と言います。
 これは暫定的というだけあって、時々変わります。1985年には、FAO/WHO/UNOの合同で年齢区分別のパターンが発表されています。

1985年FAO/WHO/UNU(2〜5歳)によるアミノ酸パターン
アミノ酸 イソロイシン ロイシン リジン 含硫アミノ酸
メチオニン
シスチン
芳香族アミノ酸
チロシン
フェニルアラニン
スレオニン トリプトファン バリン
アミノ酸パターン 250 440 340 220 380 250 30 310

(mg/窒素1gあたり)

3)計算方法
 各種タンパク質の窒素1gあたりの必須アミノ酸量を、比較タンパク質のアミノ酸量と比較します。比較タンパク質のアミノ酸量より少ないアミノ酸を制限アミノ酸と呼びます。その中でも最も比率の少ない制限アミノ酸を第一制限アミノ酸といい、これの百分率がプロテインスコアになります。

 上述の方法で、比較タンパク質のアミノ酸量のかわりにアミノ酸パターンのアミノ酸量によって計算したものがアミノ酸スコアとなるわけです。

 窒素1gあたりの必須アミノ酸量は「窒素-タンパク質換算係数」を使って計算します。

窒素-タンパク質換算係数

食品名

換算係数
小麦(玄殻)、大麦、ライ麦、えん麦

5.83
小麦(粉)、うどん、マカロニ、スパゲティ

5.83

5.95
そば

6.31
落花生、ブラジルナッツ

5.46
くり、くるみ、ゴマ、その他のナッツ類

5.30
アーモンド

5.18
カボチャ、スイカ、ヒマワリの各種実

5.40
大豆、大豆製品

5.71
乳、乳製品、マーガリン

6.38

上記以外の食品は6.25

女子栄養大学出版部「食品成分表」参照


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