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ライフサイエンス社の医学雑誌「治療学」2008年3月号に分子栄養学三石理論について執筆しました。



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健康常識のウソ

 これって本当に身体にいいの? それとも悪いの? そんな疑問に出来るだけ科学的にお答えしましょう。

マーガリンは植物性で、バターより良い。

タンパク質を摂るなら、畑のお肉といわれる大豆が良い。

タマゴを食べるとコレステロールがあがるので、1日に1個以上食べないほうが良い。

食塩のとりすぎは高血圧のもとだ。

おこげを食べるとガンになる。

タバコはタールの低いものを吸えばガンの心配もない。

お酒を呑めない人も無理して呑んでいれば、肝臓が鍛えられて丈夫になり、呑めるようになる。

タバコは百害あって一利もない。

栄養はバランスが大切だ。

動物性食品より植物性食品の方が身体に良い。

酸性食品は身体を酸性にする。

酸素(さんそ)は身体に良い。

ビタミンはあくまでも食事から摂るべきであって、ビタミン剤は飲まないほうが良い。

スポーツは身体に良い。

ローヤルゼリー

●クロレラ●ニンニク●朝鮮人参●アガリクス●プロポリス●酵素食品●コラーゲン 


マーガリンは植物性で、バターより良い。

 これは大ウソです。

 マーガリンは植物油や魚油を原料にしています。これらは二重結合の多い脂肪酸を多く含み常温では液体です。そこに水素添加という工業的処理をして二重結合の数を人工的に減らして、ちょうど良く固めたものがマーガリンなのです。この処理をすると、天然にはほとんど存在しないトランス型(天然のものはシス型)の脂肪酸が出来てしまい、これが代謝を邪魔することが分っています。クローン病との関係も疑われており、ヨーロッパではすでに使用禁止になっている国も出てきているようです。

 マーガリンは身体に有害な「人造バター」なのです。また、身体に有害な「人造ラード」のことをショートニングと言います。

 これらトランス型脂肪酸は、パンやクッキーなどのお菓子にも使われていることが多いので気を付けましょう。子供にお菓子を買い与えるときは、原材料のところをよく見てからにしましょう。

(2001年4月)

 上述のようにマーガリンを悪者として強調してきましたが、それほど気にすることはないという意見もあります。
 ただし、トランス酸の害は摂取量に依存するので、できる限り避けたほうが良いという立場をとるのです。普通の食事からも必ず入ってくるトランス酸を、あえてたくさん含んでいるものからはとりたくないということです。そして、少なくともマーガリンよりもバターの方が良いし、第一美味しいです。
 知らずに食べちゃったら、その時は気にしないことです。

(2006年3月)

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タンパク質を摂るなら、畑のお肉といわれる大豆が良い。

 そうとも言えません。

 タンパク質は質の問題が大きいのです。
 タンパク質を構成するのは20種類アミノ酸ですが、そのうちの8種類(最近はヒスチジンを加えた9種類とする)は体内で合成できないのでしっかり食べなくてはいけません。それを必須アミノ酸というのですが、その比率が問題になります。
 大豆は、メチオニンがだいぶ足りないので質が悪いのです。

 タンパク質の質を表すのに「プロテインスコア」があります。これは100点が満点ですが、大豆はメチオニンが足りないため56点と低い点数です。赤点です。
 大豆を食べるときはメチオニンの多いタマゴなどを一緒に食べないといけません。
 一般に動物性タンパクの方がプロテインスコアが高く、質が良いといえます。

 尤も、大豆はタンパク質以外の栄養成分としては捨てがたいものがあります。大豆をたくさん食べてタンパク質が取れていると思ったら大間違いだということです。

(2001年4月)

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タマゴを食べるとコレステロールがあがる?

 そんなことはありません。

 これはロシアのアニチコフという人の実験からきているようです。草食動物のウサギにタマゴを食べさせたら、血中コレステロール値があがったというものです。雑食動物ではあがりません。

 それよりタマゴは、プロテインスコア100の完璧なタンパク質を持ちます。1日2〜3個は食べましょう。タマゴを食べられないのはタマゴアレルギーの人です。こういう人は粉末プロテインなどを利用してタンパク質を補給しないと、まずタンパク不足になるでしょう。ただし、プロテインスコアの高いものを使わねば意味がありません。基準の甘いアミノ酸スコアはとりません。

 血中コレステロールも多いだけでは何も悪さをしません。酸化するから悪いのです。酸化したコレステロール、つまり変成LDL動脈硬化の原因になるのです。コレステロールが酸化しないためには、ビタミンEイチョウ・フラボノイドなどが有効でしょう。

(2001年4月)

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食塩のとりすぎは高血圧のもとだ。

 そうともいえません。
 これはアメリカのダールという人の疫学調査からきているそうです。日本の東北地方の人は食塩をたくさんとっているから高血圧の人が多い、というものです。

 高血圧の専門家の話によると、本態性高血圧の人で減塩により血圧が下がる人は100人中2〜3人だということです。年をとって減塩すると、血中の水分が減って血栓が出来やすくなるなんてこともあります。
 ダールさんは自分の仮説に合わないようなデータは隠し、都合の良いものだけを並べたということも後で分りました。

 食塩についてはナトリウムというミネラルの問題ですが、カリウム、カルシウム、マグネシウムが不足しているとうまくありません。尤も、高血圧の人はまず高タンパク食に切り替えることが先決でしょう。

(2001年4月)

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おこげを食べるとガンになる。

 なりません。

 おこげの中から「トリプP」と「グルP」という発ガン物質が見つかりました。ただし、それで発ガンさせるには量が必要です。1日に100トンのおこげを1年間食べ続けて、やっとガンが作れるという事だそうです。この計算は国立がんセンターでやったものです。

 おこげはいくら食べてもガンにならないということです。ガンをつくるというのは結構大変な事だそうです。

(2001年4月)

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タバコはタールの低いものを吸えばガンの心配もない。

 心配があります。

 タバコの発ガン性は、タールとはほとんど関係無いからです。タバコはその煙の中に、過酸化水素という活性酸素をたっぷり含みます。これは他の強力な活性酸素にすぐ変身しますので、大変です。DNAの鎖を切ることが出来ます。他の例に漏れず、タバコの発ガン性も活性酸素にあったというわけです。

 タバコを吸う人は、強力な活性酸素対策をお忘れなく!

(2001年4月)

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お酒を呑めない人も無理して呑んでいれば、肝臓が鍛えられて丈夫になり、呑めるようになる。

 呑めるようになることはありますが、肝臓が丈夫になったとは言えません。

 アルコールはまずアルコール代謝系によって酢酸に分解されます。

 つまり、まずアルコールはアルコール脱水素酵素によってアルデヒドに変わり、アルデヒドはアルデヒド脱水素酵素によって酢酸に変わるということです。
 酢酸は全身の組織に送られ、最後はニ酸化炭素になってメデタシメデタシということなのですが、先に出てきたアルデヒドというのは毒物です。二日酔いなどの原因物質でもあるわけです。酵素活性の問題で、これが身体に留まりやすい人が酒に弱いということになります。

 アルコールを常飲していると、アルコール代謝系だけでなく薬物代謝系も働くようになります。アルデヒド脱水素酵素の活性もあがってくることがあります。そうなれば呑めるようになるということなのですが、薬物代謝系が働くと活性酸素の発生が多くなります。知らぬうちに肝臓の酸化が進む可能性が高いということです。
 お酒好きの人も活性酸素対策を忘れてはならぬということです。

 だいたい鍛えることが出来るのは、筋肉細胞脳細胞だけなのです。頭と筋肉は使わないとなまってくるということです。

(2001年4月)

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タバコは百害あって一利もない。

 タバコを一服すると頭がすっきりするという人がいます。

 脳内の神経伝達物質にアセチルコリンという物質があります。これは大脳新皮質の知的な働きに大切な役割をしているのですが、ボケの患者ではこのアセチルコリンが著しく少なくなっているといいます。アセチルコリンはアセチルコリン受容体にくっついて働くのですが、タバコのニコチンもアセチルコリン受容体につくことが出来るというのです。

 つまりアセチルコリンが足りなくて今一つ頭が働かない人にとって、ニコチンはその代わりになるということなのです。

 年をとったらボケ予防にタバコを一服というのも悪くないかもしれません。請け負えと言われたら断りますがね。あくまでも一利です。百害の方を忘れずに。

(2001年4月)

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栄養はバランスが大切だ。

 残念ながらそうとも言えません。
 これは全く根拠のない気休めの言葉です。

 遺伝子の指令が最後まで遂行されることが、健康に生きることにつながる、と考えるのが分子栄養学です。
 遺伝子の指令とは酵素による代謝の進行です。その代謝のために、タンパク質だ、ビタミンだ、ミネラルだなどという栄養があるわけです。栄養は代謝が進むために必要な物質だというわけです。だとすれば、遺伝子は人によって違うので必要な栄養の量も変わってくるはずなのです。

 WHOに基づくとタンパク質の必要量は体重の千分の1です(体重50kgの人なら50gということ)。つまり、これはバランスではなくて絶対量です。ただし、WHOはには言及していませんが分子栄養学では「プロテインスコア100」に換算して、と条件をつけます。
 量の問題はビタミンについても言えることですが、こちらは理論上個人差が大きくなります。一応の目安としてビタミンCは1日2gという計算はでていますが、これも状況によって変わるはずなのです。

 ミネラル脂肪酸はバランスが大切な部分もあります。

 詳しくは「おしゃべり分子栄養学」をお読み下さい。

(2001年4月)
 

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動物性食品より植物性食品の方が身体に良い。

 こういう分け方自体にあまり意味がないと思います。

 特に脂質タンパク質について、とやかく言う人が多いようです。しかし、別項でも述べたようにタマゴを筆頭に魚や肉のタンパク質の方が質がいいので、動物性の方が良いといえます。

 脂質については、不可欠脂肪酸は何かを考えて行くと自ずと答えは出てきます。極論を言えば「ガンマリノレン酸」と「アラキドン酸」と「エイコサペンタエン酸」があれば他はいらないとなります。これらはタマゴや肉や魚に多いのです。
 ただし脂質は「n-3系列」の脂肪酸と「n-6系列」の脂肪酸のバランスが大切とも言われています。

 この辺の話も「おしゃべり分子栄養学」に出てきます。

(2001年4月)

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酸性食品は身体を酸性にする。

 そんなバカな!
 ここで言う身体とは血液(体液)という意味でしょうか。
 血液は、生きているかぎり絶対に酸性にはなりません。血液のpH(ペーハー)は7.35〜7.45に保たれています。この値が7より小さい時、酸性というわけです。

 これは実際に酸性になるという意味でなく、酸性方向に傾くといった意味なのでしょう。

 血液のpHに作用する酸性食品とは何かということですが、それはリン酸を含む食品ということになります。リン酸イオンは血液のpHを下げようと働くのです。逆に上げようと働くのはカルシウムイオンです。pHが下がると副甲状腺ホルモンなどが働き、骨からのカルシウム調達を増やします。骨のカルシウムが減るということです。
 実際、影響が大きいものはコーラ類しかありません。コーラ類を飲む人は、カルシウム剤を使ったカルシウム補給を考えたほうが、骨抜きにならないでしょう。

(2001年4月)

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酸素(さんそ)は身体に良い。

 人は酸素が無ければ生きていけません。しかし酸素があるから死ぬとも言えるのです。

 窒息すれば死ぬし、重い病気の時には酸素吸入という措置がとられます。そんなことから、酸素はたっぷり吸い込んだほうが良いと思っている人が多いようです。
 空気の中の酸素量は21%くらいですが、これより多いと呼吸困難や痙攣などを起こして生きていけないそうです。酸素濃度があがると活性酸素が増えるからなのです。私たちの身体の細胞はエネルギー造りのためなどに酸素を要求してはいますが、空気中の酸素量に較べて150分の1くらいにまで薄めているのです。酸素バーとやらで、濃縮酸素を吸うなんてのは危険な行為なのですよ。

 きれいな空気ときれいな女性は必要ですが、きれいな酸素は要りません?!

(2001年4月)

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ビタミンはあくまでも食事から摂るべきであって、ビタミン剤は飲まないほうが良い。

 1日に30品目のものを食べれば健康は保てるなんてことを、本気で信じている人なんているんでしょうか。これは全く科学的根拠の無いものなんですよ。

 遺伝子の指令によって作られる酵素の形が人によって微妙に違うということを理解すれば、ビタミン必要量の個体差(個人差)が理解できることでしょう。
 例えば、動物実験から、ビタミンC一日必要量は2gくらいだろうと計算されています。ここにストレスがかかれば、その何倍ものビタミンCが要求されることでしょう。ビタミンC2gというのはレモンに換算して約120個分です。

 ビタミン剤だろうが食べ物に入っていようが、ビタミンはあくまでもビタミンです。大切なのは身体の要求量に足りるだけのがあるか無いかということなのです。量の問題を解決するのに、ビタミン剤を利用してなんら問題はありません。ただし、品質に問題のあるビタミン剤も多く出回っているので注意は必要ですが。

(2001年4月)

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スポーツは身体に良い。

 スポーツの良さは広く知れわたっていることでしょう。

 ここでは、デメリットもあるということも知っておいて下さい。
 スポーツをするということは、体内でのエネルギー発生量が増えるということになります。ということは当然、活性酸素の発生量も増えることになるわけです。
 ジョギングの始祖ジェームス・フィックスはジョギング中に亡くなりました。これは活性酸素対策にぬかりがあったと言えないことはないのです。
 エアロビクスという体操があります。有酸素運動というものです。これのメリットは細胞中のミトコンドリアを増やすことにあるわけですが、当然活性酸素の発生が多いわけですから中年以降の方はそのつもりでやらないと危険です。
 ただし、筋肉細胞は増えないかわりに鍛えることは出来ます。鍛えることの出きる細胞はほかに脳細胞があります。鍛えることの出きる細胞は鍛えたほうが良いといえるでしょう。活性酸素対策を忘れずにね。

(2001年4月、2003年9月追加)

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ロ−ヤルゼリ−

 古来から、不老長寿の薬といわれ、若返りに効果があるとされているのがロ−ヤルゼリ−です。
 ローヤルゼリーは女王蜂の食べ物で、女王蜂は他の蜂より3倍も大きく、寿命は40倍、というのを聞くといかにも効果がありそうですが、昆虫と人間ではあまりに違いすぎます。蜂に良いものが人間にも良いとすること自体に無理があるといえましょう。

まずはロ−ヤルゼリ−の栄養的価値です。

水分65%、タンパク質13%、糖質10%、脂肪5%、その他7%ほど。
ビタミンBはまあまあ比較的には多いが、栄養的には特に目立った特徴なし。
脂溶性ビタミン
(ADEK)は少ない。

 蜂蜜に比べ、タンパク質と水分が多くビタミンBをはじめとする各種微量成分を含んでいます。
 また、未知のR物質を含み、これが人体の健康維持に何らかの作用があると希望的な推測がされていますが、詳しくは解明されていません。
 R物質のRはロ−ヤルゼリ−の頭文字です。

市販されているものには、以下の3種類があるようです。

生ロ−ヤルゼリ−:保存があまりきかず、飲みにくい。
乾燥ロ−ヤルゼリ−:真空凍結乾燥などで乾燥処理したもの。
調整ロ−ヤルゼリ−:出回っているものはこちらが主流。

 どれにしても、通常摂取量ぐらいでは、栄養補給効果はほとんど期待できません。こんなものに大金を払うのは無駄といえるでしょう。
 呆れたことに、漢方の五行説に照らし合わせて説明されることもありますし、最近では活性酸素を除去するなんて言ってるものもあります。屁理屈をこねくりまわすのも、ここまで来ると笑っちゃいます。

 どうしてもローヤルゼリーを飲んでみたいという人は、せめて『医薬品』のローヤルゼリーをお試し下さい。『医薬品』ということは薬屋さんに行かないと買えません。
 なんと日本では『医薬品』として認可の下りたローヤルゼリーがあるのですね。これは効能がちゃんと認められているということなのです。「滋養強壮」ですがね。尤も、この効能だって再評価の対象になれば、外されるんじゃないかと思いますが…。

(2001年12月)

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