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ライフサイエンス社の医学雑誌「治療学」2008年3月号に分子栄養学三石理論について執筆しました。



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狂牛病について

 分からないことだらけですねえ・・・。
 あまりにも「プリオン」というタンパク質に関して分からないことが多すぎだから、狂牛病についても分からないことだらけなのです。

 普通、感染するというのはウイルス細菌によるもので、遺伝子物質の核酸(DNAやRNA)を持つわけですが、プリオンは単なるタンパク質ですから当然そんなものはありません。
 さらに、にもにも強いからタンパク変成を起こしにくいんだと。分子量も小さいらしくて、アミノ酸に分解されなくてもそのまま腸管を通り抜けられる・・・。う〜ん。

 だったら、どうして免疫系が働かないんだろう? 普通、タンパク質がそのまま身体に入ったらアレルギーが起こるんじゃないの?
 さらに、脳には血液脳関門と呼ばれるグリア細胞が厳重チェックして危険なものを神経細胞(ニューロン)に行かないようにしているのに、それをも通過してしまうんですと。う〜〜ん。プリオンは牛も人間も羊も組成成分や立体構造が同じなんでしょうか・・・?

 そして、その異常プリオンが次々と正常プリオンを異常プリオンに変えてしまうため、変異型クロイツフェルトヤコブ病が発症するということなのでした。

 ここで、確定されていないことは牛の異常プリオンを食べた人間が、そのために発症するかということです。牛から人間にうつるかうつらないかは、確定していないらしいのです。ただし、かなり疑いは濃いというところでしょうか。
 実験室段階では、種を超えた感染が認められているからです。これは、かなりの証拠にはなるでしょう。

 しかし、牛肉は関係ありません。
 牛肉を食べるということは、牛の筋肉を食べるということになるわけですが、プリオンが存在するのは脳、眼球、脊髄、回腸などに限定されているからです。
 もし、狂牛病にかかった牛の肉を食べても異常プリオンが無ければ問題はないということなのです。

 分からないことだらけですが、牛肉が安くなったことで我が家は大助かり!
 牛肉たっぷりのすき焼きを何回も食いました。牛なのにウマかったー!

2001年12月

 


狂牛病のメカニズム

 「プリオン」と呼ばれるタンパク質が関係していると考えられています。

 プリオンは、ヒトでは第20番染色体に存在するプリオン遺伝子によって作られる糖タンパク質です。哺乳類から酵母まで見られる普通のタンパク質です。運動を支配する神経細胞の維持や睡眠調節に関係していると言われていますが、まだよくわかっていないタンパク質です。

 牛海綿脳症BSE:Bovine Spongiform Encepahlaopathy)、山羊のスクレイピー(Scrapie)、人のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD:Creutzfeld-Jakob disease)等の病気は、このプリオンの異常によって起こるので、プリオン病とも言わています。

 このプリオン病は、実験室で人から他の動物へ動物から人へと伝染することがわかっています。
 
 病原性プリオンは、細胞膜表面にもともとある正常プリオンが異常構造に変化したものです。したがって、これはウイルスでも細菌でもなくそれ自身に遺伝子は存在しません。
 正常プリオンと異常プリオンは、その構造に違いがあるのです。
 
 ではここで、タンパク質について少し復習しておきましょう。
 タンパク質は20種類アミノ酸から成っています。タンパク質は、アミノ酸同士がペプチド結合でつながっている分子です。アミノ酸とアミノ酸の結合には個数の制限がないので、分子量は数千から数百万までの高分子が存在します。このアミノ酸の並び方を、タンパク質の第一次構造といいます。
 数千から数百万の巨大分子は折れ曲がり「α-ヘリックス」「βシート」などと呼ばれ、これを第二次構造といいます。
 この第二次構造同士が集まったものを第三次構造といいます。
 そして、第三次構造のかたまりがさらに集まったものを第四次構造と呼びます。
 タンパク質はこの構造が非常に大切なのです。
 
 異常プリオンは、第二次構造に違いがあると報告されているようです。
 すなわち、正常プリオンではα-ヘリックスが多いのに対し、異常プリオンではβシートが多く存在しているからです。
 このプリオンは物理的・化学的な処理に非常に強い抵抗性を持っていて、通常、加熱調理する料理方法では対処できません。細菌やウイルスは熱を加えると死んでしまいますが、異常プリオンは高熱を加えても危険性はなくならないのです。それだけに、対策がやっかいだというわけです。



◆異常プリオン汚染の危険度(EU医薬品審査庁)◆

●カテゴリー1(高度感染性):脳、脊髄、眼
●カテゴリー2(中等度感染性):回腸、リンパ節、ひ臓、硬膜、胎盤、下垂体
●カテゴリー3(低感染性):鼻粘膜、抹消神経、骨髄、肝臓、肺、すい臓など
●カテゴリー4(検出可能な感染性なし):凝血、ふん便、心臓、じん臓、乳汁、卵巣、だ液、骨格筋、子宮、骨など

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 厚生労働省は上表のカテゴリー1のすべて、カテゴリー2のうちの回腸について焼却処分するように通達しています。

2001年12月

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