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ライフサイエンス社の医学雑誌「治療学」2008年3月号に分子栄養学三石理論について執筆しました。


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血液型の話・・・性格は?

ぼやき先生:迷ホラさんは、自分の血液型を知っているかな?

迷ホラ吹き:知ってますよ。身体はちっちゃいですけど「大(おう)型」です。

媚多眠氏:アハハ、何をおバカなこと言ってんですか。

ぼやき先生:その「O型」というのは、何を調べてそう言ってるのかってことなんだがな。

迷ホラ吹き:・・・ですから、血液、でしょ?

媚多眠氏:血液の中には「赤血球」も「白血球」も「血小板」もある、ということですよ。

迷ホラ吹き:・・・? そんなこと、考えたこともありませんでしたよ。

ぼやき先生:「ABO式」は「赤血球」の血液型なんだな。

迷ホラ吹き:ふ〜ん、じゃあ「白血球」の血液型ってのもあるんですか?

媚多眠氏:血液型の分類法はいくつかあるんですが、白血球の血液型といえるものとしては「HLA」というのがあります。

迷ホラ吹き:ゲゲゲ、ホントにあるんだ!

ぼやき先生:ヒューマン・ロイコサイト・アンチゲンというんだが、まあ、今は赤血球の話だ。
さっき迷ホラさんは「おう型」といったが、元来は「O(おう)」ではなく「(ぜろ)」、「ゼロ型」なんだな。

迷ホラ吹き:ハイ?

媚多眠氏:基本的にはA抗原のある赤血球を持つ人がA型で、B抗原のある赤血球を持つ人がB型ということなんですよ。

ぼやき先生:そして、両方の抗原をもつタイプがAB型ということなんだ。

迷ホラ吹き:じゃあ、O型は?

媚多眠氏:考えてみて下さい。

迷ホラ吹き:・・・なるほど。・・・分かりました。
AもBも、つまり両方とも持っていない、抗原ゼロってのがO型だってんですね。

ぼやき先生:御名答。

迷ホラ吹き:実は、A型B型ときたのに、何でC型じゃなくてO型なのか不思議に思ってたんですよ。

媚多眠氏:そうですね。

迷ホラ吹き:そうかぁ、ぼくはゼロ型だったんだ・・・。それで大雑把で気楽な性格だったのかなあ?

媚多眠氏:はぁ? なにバカなこと言ってるんですか! 血液型と性格は関係ありません。

迷ホラ吹き:だって、よく言うじゃありませんか。几帳面なA型とか偏屈なAB型とか・・・。媚多眠さんはA型? 先生は・・・?

ぼやき先生:血液型を自分の性格の欠点の言い訳にする人を見かけることがあるが、迷ホラさんまでそんなことを信じているなんて、ガックリくるね。

媚多眠氏:よく考えてみて下さい。赤血球の細胞膜から出ている抗原の違いごときで性格が決まるわけないじゃないですか。しかも、基本的に4種類しかないんですよ。

ぼやき先生:血液型によって脳の神経細胞に与える影響が違うと言うのならともかく、そういう根拠はないんだな。

迷ホラ吹き:そう言われれば、そうですが・・・。

ぼやき先生:ワシは自分では偏屈だと思っていないし、第一、AB型でもない。

媚多眠氏:私は几帳面かもしれませんが、迷ホラさんと同じO型です。

迷ホラ吹き:ありゃぁ・・・。

ぼやき先生:残念ながら、血液型と性格の話には科学的根拠は全く無いんだな。

媚多眠氏:最近、また血液型による性格占いがはやっていて、子供のいじめなどだけでなく、新規採用や特定のプロジェクトに参加する社員の選定に血液型を導入している企業もあるというのですから、呆れてものも言えません。

迷ホラ吹き:本気で信じちゃって、深刻な問題も出ているってことなんですねえ。反省します・・・(・・;)

ぼやき先生:ABO式分類で重要なのは輸血の時くらいのものなんだ。抗原抗体反応が関係してくるからな。

迷ホラ吹き:「こうげん・こうたい・はんのう」? そういえば「A抗原」だとか「B抗原」だって言ってましたけど、そりゃ何のことですか?

ぼやき先生:「糖鎖(とうさ)」を覚えているかい?

迷ホラ吹き:ガン細胞の異常増殖の時に出てきたやつですね。細胞膜から木の枝みたいに生えている糖の鎖でしたっけ。

ぼやき先生:その通り。丸い座布団型の赤血球も、分子レベルで見れば表面に糖鎖がもじゃもじゃ出ているんだが、その先端には「N-アセチルガラクトサミン」や「ガラクトース」という「糖」が付いているんだ。

迷ホラ吹き:そういえばさっき、媚多眠さんが「赤血球の細胞膜から出ている抗原」なんて言ってましたっけ。にしても、ガラクトースはともかく、もうひとつはやっかいな名前ですねぇ。

ぼやき先生:厄介なほうが「A抗原」で、ガラクトースが「B抗原」ということなんだな。

媚多眠氏:つまり、糖鎖の先端にN-アセチルガラクトサミンが付いているとA型、ガラクトースが付いていればB型ということなんです。

迷ホラ吹き:そして、その厄介な糖もガラクトースもついてなければ、抗原が無いってことでO型なのか。

ぼやき先生:A抗原、B抗原について考えるとそういうことになるんだが、実は、O型は「H型」とも言えるんだ。

迷ホラ吹き:エッチ〜!? ぼくがエッチだってんですか? 先生、ふざけるのもたいがいにして下さいよ!

ぼやき先生:いや、ふざけてるわけじゃないんだ。実は、A抗原もB抗原も「H抗原」にくっついているんだな。

迷ホラ吹き:「えっち・こうげん」? 何か、ヤーラシイ響きだなぁ・・・。

ぼやき先生:赤血球の細胞膜から伸びてきた糖鎖に、まず、H抗原がくっつき、そのH抗原にA抗原やらB抗原が付いているのさ。

迷ホラ吹き:ふ〜ん、・・・で?

媚多眠氏:つまり、A型もB型もAB型もO型も、H抗原のところまでは同じということなんですね。

ぼやき先生:そこで考えてくれ。O型にはA抗原もB抗原も付いていないと言っただろう。

迷ホラ吹き:なるほど。H抗原が“モロ出し”になっているってことかぁ?

媚多眠氏:“モロ出し”なんて言うから、なんかいやらしく聞えますが、まあ、そういうことですね。

ぼやき先生:ここで、さっき言った抗原抗体反応が出てくる。

媚多眠氏:抗原には抗体がつきものだということですね。

ぼやき先生:今までの話のように、赤血球の抗原を調べるのが表検査で、抗体を調べるのが裏検査なのさ。

迷ホラ吹き:表検査に裏検査?

媚多眠氏:その話は次回ということにしましょうか。

2004年12月

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