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ライフサイエンス社の医学雑誌「治療学」2008年3月号に分子栄養学三石理論について執筆しました。



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あちこちで話題になっていますが・・・。
(2002年1月25日の朝日新聞から)

日本の大人は科学に弱い?
〜科学基礎知識テスト〜

 日米欧14ヶ国で行われた「科学基礎知識テスト」の結果、日本は12位と最低レベルであることが文部科学省の科学技術政策研究所によって発表されました。
 昨年、18〜69歳の約2千人に面接し、欧州連合(EU)やアメリカなどの調査結果と比べたものだそうです。
 日本では、受験勉強で理科を学ぶものの関心が低く、大人になってからは学ぶ機会が少ないことが原因であるとみられています。
 あなたは何問正解できますでしょうか?

(問題)次の問いに対し、○×で答えましょう。

1)大陸は何万年もかけて移動している。
2)現在の人類は原始的な動物種から進化した。
3)地球の中心部は非常に高温である。
4)我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた。
5)すべての放射能は人工的に作られたものだ。
6)ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた。
7)電子の大きさは原子の大きさよりも小さい。
8)レーザーは音波を集中することで得られる。
9)男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子だ。
10)抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す。

答え

各国の科学の基礎知識への理解度(平均正答率、%)

デンマーク


64

英国


63

米国


61

フランス


61

オランダ


59

ドイツ


58

ルクセンブルク


56

ベルギー


55

イタリア


55

アイルランド


52

スペイン


51

日本


51

ギリシャ


44

ポルトガル


43

科学知識テストの解答  ※( )内は日本人の正答率 問題ヘ戻る
1)○(83%) 2)○(78%) 3)○(77%) 4)○(67%) 5)×(56%)
6)×(40%) 7)○(30%) 8)×(28%) 9)○(25%) 10)×(23%)


■正答率の低かったものの中から、6)、9)、10)について解説しておきます。

6)ごく初期の人類は恐竜と同時代に生きていた。×

 映画や漫画の影響でしょうか、これの正答率は40%と結構低いので驚きました。
 恐竜が絶滅したのは6500万年前、最初のヒト科の動物が現れたのは400万年前といわれていますから、全くかさなりません。下の表を見ると結構驚くことがあります。

●この表は、地球の進化の過程で重要な出来事をまとめたものです。右端の「日付」は、地球の歴史全体を1年に縮めた時に、その出来事が起こったと考えられる日を記録してあります。

時 間
(単位:100万年前)

出 来 事

日 付
4600 地球誕生

1月1日
3800 知られている最も古い化石ができた

3月5日
3600 知られている最も古い化石(藻類)

3月21日
2000(約) 大気中の酸素が増える

7月26日
650(約) 海に多細胞生物が現れる

11月10日
590 化石の記録がはじまる

11月14日
440 生物が陸地にも移動する

11月25日
400 魚(脊椎動物)が繁栄する

11月29日
250 恐竜が現れる

12月12日
65 恐竜絶滅

12月26日

〜ここからの日付欄は12月31日の時間をさす〜
4 最初のヒト科の動物が現れる

7:30AM
0.1 最初のホモ・サピエンスが現れる

11:49PM
0.005 歴史の記録がはじまる

11:59:34PM

【講談社ブルーバックス「科学1001の常識」参照】


9)男か女になるかを決めるのは父親の遺伝子だ。

 遺伝子は細胞の中のDNAにあります。
 DNAは縄ばしごがねじれたようになっているので“二重ラセン”などといわれます。その長いはしごが絡みつかないように46本に切って、糸巻きのようなもの(ヒストンというタンパク質)に巻き付けてあるのですが、その状態になっているものを「染色体」と呼ぶわけです。
 つまり46本の染色体があるということですね。
 実はこの染色体、同じものが二つづつあります。だから23対46本の染色体があるというわけです。

 しかし、そのうちの23番目(大きいほうから数えます)性染色体で、同じものが2本ではないのです。
 性染色体にはX染色体と、Y染色体があります。
 そして、X染色体を2本持つと女性になり、X染色体とY染色体を持つと男性になります。

 体細胞は染色体が2倍に増えて二つに分かれますから、元と同じように46本の染色体があることになります。
 しかし、生殖細胞減数分裂といって23対の染色体が半分に分かれてしまうのです。つまり23本ということです。

 女性はもともとX染色体しかありませんから、卵子の性染色体は皆X染色体だということになります。
 ところが、男性は両方の性染色体を持っているわけですから、半分に分かれるときX染色体を持つ精子Y染色体を持つ精子ができることになります。

 無事、卵子にたどり着くことのできた精子がY染色体を持っていれば男X染色体を持っていれば女となるわけです。


10)抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す。×

 これは、バクテリアウイルスの違いがわかっていないために冒す間違いでしょう。バクテリアとは細菌の事で、これは立派な生き物です。ところがウィルスは生き物とは言えないのです。

 ウィルスは他の生き物の細胞に入らないと自己増殖できません。ウィルスには細胞がないので生き物とは言えないわけです。生き物であることの条件の一つに「細胞がある」と言うのがあるのです。

 抗生物質は、正常な細胞の中に入り込み、その細胞が生きていくための化学反応の重要な部分を阻害してその細胞を殺すものです。
 そのような作用によるのですから、抗生物質でウィルスを退治することはできないのです。

 肺炎抗生物質で治りますが、カゼインフルエンザダメなのです。

 ついでに言っておけば、水虫は「真菌」と言って細菌ではありません。カビです。キノコもカビの一種と言えますね。

2002年1月

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