話題の本、新谷弘実の『病気にならない生き方』を遅ればせながら読みました。 牛乳を非難していると聞いて、おそらくトンデモさんだろうと無視していたので読むのが遅れました。 ○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×。 そして、メインの話の《ミラクルエンザイム》は噴飯物。 だいたい《酵素》といわないでわざわざ《エンザイム》というところからして、シロートを騙そうとしている感じがプンプン臭ってきます。 牛乳に関しては、攪拌してホモゲナイズすると脂が酸化して消化が悪いから良くないなどといっていますけど、あまりに根拠に乏しく説得力が皆無です。だいたい、ホモジナイズ(新谷さんはホモゲナイズというけど)の方法は攪拌じゃないし。 そういえば日本酪農乳業協会が新谷さんに『牛乳を飲み過ぎると骨粗鬆症になる』事についての科学的根拠を示せと質問状を出したようですね。 ●http://www.j-milk.jp/library/faq/8d863s000007e8iu.html 新谷さん、ちゃんと回答するんでしょうか? 先に言いましたが、一般論として牛乳を悪者にする人たちは、まずトンデモさんですね。 次々と笑える記述が出てくるんですが、人間より体温の高い動物の脂が血液をドロドロにしてしまうってのには本当に噴き出してしまいました。 コジツケ説明が次々に現れるのは典型的なトンデモさんの特徴ですが『人間の体には、「血液・リンパの流れ」「胃腸の流れ」「尿の流れ」「空気の流れ」そして「気の流れ」と言う五つの流れがあります。』ってのにもビックリ。 血液・リンパはともかく胃腸の流れって何でしょう? じゃあ、尿の流れは水分の流れといわなければいけないですよね。 ってことで、次元の違うものを平気で一緒に並べるのも、トンデモさんの得意とするところなんですね。 いやはやこの本、予想を上回るトンデモ記述が質量とも満載で参りました。 白米は胚芽部分がないから死んだ食べ物だ、なんてのも笑っちゃうでしょう? 人間が生きていけるのは微生物のおかげだってのはいいんですが、最も重要なのが腸内細菌に生命力の源のエンザイムを作ってもらっていることなんだって。 ○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×。 ○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×○×。 ちょっと調べてみたら、今ごろぼくがツッコミを入れなくても、既に多くの専門家が指摘していますね。 たとえば、京都女子大学教授の小波さんは「こなみ日記」で3月8日に「ゴールドラッシュ」という記事を書いています。 新谷さんもどうかしてると思いますが、この本を読んで『目からウロコが』なんて言って感動したり、この本の内容を奨めたりする薬剤師や栄養士が多いのにもガッカリします。 本当に信じているのも問題ですが、利用して商売につなげようなんて考えていたらとっても悲しいことだと思います。 |