媚多眠氏:6年ほど前に砂糖の話をしましたが、おぼえていますか? 迷ホラ吹き:上白糖も三温糖も黒砂糖も、栄養学的には違いがないって話だった記憶が・・・。 ぼやき先生:うむ、三温糖の色は加熱によるものだし、黒砂糖のミネラルは投入された石灰由来のものだから、まあ、栄養学的には無意味と言えるだろうな。 媚多眠氏:実は最近、ある研究会の仲間から「白砂糖は麻薬!?」という情報がまわってきてビックリしたんですよ。 迷ホラ吹き:お砂糖が麻薬なんですか!? ぼやき先生:そんなわけがあるはずなかろう! 白いものを貶して、不安を煽るような人は昔からいたんだな。 媚多眠氏:それが、いまだにいるんですね。しかも、それが医者とか薬剤師なんです。 ぼやき先生:どうせ噴飯物の言い草だろう。肩書きなんか信用出来ないってことさ。 媚多眠氏:そうなんですが、そんなばかばかしいことを納得して信じちゃう人がいるかと思うと、悲しくなります。 迷ホラ吹き:砂糖と言わないで、わざわざ白を付けるってことは暗に黒砂糖なら良いというニュアンスがありますね。 ぼやき先生:「白砂糖」というのはたぶん「上白糖」のことを言っているのだと思うが、上白糖の成分はショ糖だ。 迷ホラ吹き:ショ糖は二糖類でしたね。 ぼやき先生:その通り。ショ糖は、グルコースともいうブドウ糖とフルクトースともいう果糖が結合した二糖類さ。上白糖は、そのショ糖に「ビスコ」を振りかけてしっとりさせたものなんだな。 ビスコは転化糖のことで、ショ糖を分解してできる果糖とブドウ糖の同量混合物さ。 媚多眠氏:砂糖の過剰摂取は虫歯や肥満の原因になり得るので、気をつけるのは当然なんです。でも、大げさに不安を煽りたいからといって、ウソやインチキを並べてもらっては困るんですよね。 ぼやき先生:その不安扇動者は、いったいどんなことを言ってるのかな? 媚多眠氏:まず、砂糖は食べ物でなく、化学方程式で表せる薬なんだそうです。 迷ホラ吹き:ええっ、食べ物じゃないんですか!? ぼやき先生:化学方程式ってのも意味がわからんな。 媚多眠氏:その方程式は【(C6H12O5)2】だそうですよ。 ぼやき先生:たぶん、化学式とか分子式のことを言いたいんじゃないのかな? それで表すことの出来るような純粋なものは食べ物ではないと言いたいんだろう。その人に言わせれば、精製塩だってNaClだから食べ物ではないのさ。調味料を食べ物と言いたくないんじゃないかい? 媚多眠氏:だとしてもヘンなんです。この“化学方程式”を解くと【C12H24O10】になってしまい、ショ糖の【C12H22O11】とは違います。 迷ホラ吹き:んじゃ、【(C6H12O5)2】は砂糖じゃないってことか。 媚多眠氏:まあ、これは揚げ足取り程度としてほっておいても良いんですが、製造方法ではあきらかにインチキをいって、貶めようとしているんです。 ぼやき先生:嘘やインチキはいかんな。 媚多眠氏:「白砂糖」を目の敵にする人によると次のようなんです。 1,サトウキビを圧搾して糖蜜にする。 ぼやき先生:5番目の塩酸で漂白するというのは、確かに悪意のこもったウソだろうな。砂糖は結晶自体が白いから、漂白はあり得ない。 媚多眠氏:そうですよね。 迷ホラ吹き:そりゃひどいもんだ。 媚多眠氏:サトウキビを圧搾して得られるものは糖汁というんです。それを煮つめて得られる結晶が原料糖。その原料糖を溶かして不純物を取り除く行程で石灰と炭酸ガスは使うんですが、他のものは使いません。もちろん「ホウ酸鉛、塩素でより透明な液にする。」なんて行程はありません。 迷ホラ吹き:やたら合成の化学物質を使っているように思わせて、からだに悪そうな雰囲気を作っているんでしょうか。 ぼやき先生:食品添加物を必要以上に悪者にしたがっている人と同じニオイがするってことだな。 媚多眠氏:使ってないものを使っているといわれているんですから、それより悪質ですよ。 ぼやき先生:それにしても、ミネラルやビタミンがべたつくってのは、おもしろい発想だな。上白糖は、サラサラしているところにわざわざビスコをかけてしっとりさせているんだがな・・・。 媚多眠氏:念のため、日新製糖株式会社と三井製糖株式会社に直接聞いてみたんですが、不純物を取り除くのに亜硫酸、亜硫酸ガスを使うことはないしホウ酸鉛や塩素も使わないという返事でしたよ。 ぼやき先生:まあ、当然だろう。 媚多眠氏:で、このインチキ情報の出所をネットで調べてみたら、「真弓定夫」という医者のようですね。どうやら、心ある人たちからとっくに「トンデモ」の称号を勝ち得ている人みたいです。 迷ホラ吹き:)*o*( |