媚多眠氏のお店の販売商品一覧
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おしゃべり分子栄養学 65
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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脳関門を通過するアルコール-1

ぼやき先生:前回までのエネルギーの話をふまえて、酸素を大量に要求するの話に入ってみようか。

媚多眠氏:脳は、ちゃんと働くためのエネルギー確保に酸素を大量消費するということですね。

ぼやき先生:呼吸によって取り込まれた酸素の行き先を覚えているかな?

迷ホラ吹き:もちろん。ATPをたくさん作るためのミトコンドリアです。

ぼやき先生:うむ。脳の重量は体重の2.5%位しかないんだが、その割りにかなり多くの酸素を使うんだな。

媚多眠氏:確か血流量は全量の15%も流れていて、呼吸によって取り込まれた酸素の20%以上が脳へ行くんですよね。

迷ホラ吹き:逆に言うと、脳は酸欠に弱いってことでしょうかね。

媚多眠氏:はい、酸素がたくさん行くということは活性酸素障害も要注意でしょう。

ぼやき先生:活性酸素障害による老化が原因と思われるものにパーキンソン病があるんだな。

迷ホラ吹き:病気じゃなくて脳の老化といえば物忘れでしょうか? 最近、物覚えが悪くて・・・。

媚多眠氏:やはり純米酒の呑み過ぎでは?

迷ホラ吹き:た、確かに。呑み過ぎちゃった時、部分的とはいえ、前日の記憶がないこともあります。

ぼやき先生:脳の話に入る前にアルコールがどんなものかをしっかり把握しておくのも悪くなかろう。お酒に限らずってことなんだがね。

迷ホラ吹き:お酒に限らずって、たとえば消毒用アルコールとか?

媚多眠氏:それは、正確にいうと消毒用エタノールですね。エタノールは純米酒に含まれるアルコールと同じ成分です。

ぼやき先生:その濃度が問題なんだな。

媚多眠氏:日本薬局方で定められた濃度は76.9〜81.4v/v%です。なぜこんなに中途半端な数字かは知りませんが、およそ80%ってことでしょうか。

迷ホラ吹き:80%の酒はとても呑めませんね。

媚多眠氏:イイカゲン、飲む話から離れて下さい。

迷ホラ吹き:えへへ、でもそのヴォリューム・パー・ヴォリューム・パーセントってのはなんですか?

媚多眠氏容量の割合ということですよ。たとえば重量・重さだとヴォリュームでなくウエイトです。

迷ホラ吹き:そんな面倒な。どっちでも同じようなものでしょう?


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脳関門を通過するアルコール-2

ぼやき先生:な〜にをいっておる。そんなことだと『鉄1キログラムと綿1000グラムではどちらが重いか?』ってな質問に「鉄!」と答えてしまうぞ。

迷ホラ吹き:・・・、あっ、そうか。

ぼやき先生:しかも水とエタノールでは比重が違うから、同じ100mlでも重さは違うんだな。重量パーセントで70%の時、容量パーセントは約80%なんだ。

迷ホラ吹き:なるほど。

媚多眠氏:それに、70mlと30mlの水を混ぜると100mlになりますけど、70mlのエタノールと30mlの水を混ぜても100mlにはならないんですよ。

迷ホラ吹き:どうしてですか?

ぼやき先生:水分子とアルコール分子による水素結合によって分子間の距離が近くなるためなんだな。まあ、その話はともかく、なぜ消毒用が100%ではないのかって話さ。

媚多眠氏:そうなんですよ。100%に近いのは無水エタノールといって、消毒には使わないんです。

迷ホラ吹き:割り水量を多くしてアルコール度を低くした安い純米酒がありますが、それと同じで水増しして儲けようって魂胆でしょうかね?

媚多眠氏:そんなバカな。

ぼやき先生:エタノールには膜透過性とかタンパク変性を起こすことによる殺菌作用があるんだが、ブドウ球菌に対する殺菌効果の高い濃度は60〜90%だという実験結果があるんだ。90%以上だと、かえって菌の生存率は高くなるというんだな。

迷ホラ吹き:へぇ〜。アルコールの刺激を想像すると濃ければ濃いほど効きそうですけどねぇ。いったいどうしてですか?

ぼやき先生:エタノールは重量パーセントで70%の時に水との分子組成が1対1となって疎水基が一番広がるんだそうだ。それが疎水面をつくることによって細胞膜を破壊するという説があるんだが、本当のところはよく分からん。

迷ホラ吹き:あはは・・・、その説明自体がよく分かりません。

媚多眠氏:経験的に決ってるということでしょうかね。

ぼやき先生:ところで今、疎水基なんて言葉を出したんだが、これはエタノールでいうとC2H5の部分なんだな。アルキル基というんだがね。疎水基が水を疎んであぶらになじむということは分かるかな。

迷ホラ吹き:はいはい、あぶらになじむけど水になじまないってことですね。・・・あれれ、アルコールは水ともよ〜く混じりますよ。

媚多眠氏:アルコールにはOHという親水基もあるので水ともなじむんです。エタノールの分子式はC2H5OHですからね。

ぼやき先生:エタノールは水にもあぶらにもなじむ物質なんだな。この性質を両親媒性なんていうんだがね。

媚多眠氏:生体膜の主要成分のリン脂質もそうでしたね。

迷ホラ吹き:確かに!

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脳関門を通過するアルコール-3

ぼやき先生:換気扇の掃除にエタノールを使うと良いのは、その疎水基に期待しているんだな。

媚多眠氏:換気扇の汚れはほとんどあぶらでしょうからね。

ぼやき先生:だから、消毒と違ってこの用途のためにはなるべく水分の少ない100%に近いエタノールの方が優れているというわけさ。

迷ホラ吹き:なるほど、そういうことだったんですか。

ぼやき先生:さて、換気扇が付きものといえば台所、台所といえば料理ということで、料理とアルコールの話に行ってみようか。

迷ホラ吹き:アルコールの調味料といったら日本酒味醂でしょうかね。どっちもアルコール分が15%くらいですね。

媚多眠氏:味醂もけっこうアルコール度があるんですね。

迷ホラ吹き:でも、味醂は甘いです。45%くらいが糖分でほとんどブドウ糖だと聞いてますよ。原料はうるち米でなくもち米だし、仕込みの段階で米焼酎を入れるなど日本酒とは全く違う造り方ですね。

ぼやき先生:その味醂は煮物に使われる時、何に期待しているか御存じかな?

迷ホラ吹き:色つや香り、照りを良くするためです。あと、煮崩れ防止とか。

ぼやき先生:前半は味醂中のに期待してのことだな。

媚多眠氏:ということは、アミノカルボニル反応ですね。糖は食材からの成分が流れ出すのを防ぐ働きもあると聞いたことがあります。

迷ホラ吹き:だとすると、煮崩れ防止にもなりそうですね。

ぼやき先生:煮崩れ防止といえばアルコールだろう。アルコールはペクチンに働いてその結びつきを強くするんだ。

迷ホラ吹き:ペクチン?

媚多眠氏:ジャムになるような果物に多く含まれる食物線維の一つで、腸内の善玉菌のエサにもなるものですね。

ぼやき先生:そのペクチンは細胞壁に含まれるんだな。

迷ホラ吹き:細胞膜じゃなくて細胞壁?

媚多眠氏:細胞壁ということは植物だけの問題ですね。

迷ホラ吹き:野菜は関係あるけど肉は関係ないってことですか?

媚多眠氏:「ミリンは素材を固くすることがありますが、酒はその反対の働きをします。」とか「ミリンには素材をキュッと引き締める作用があり、お酒には素材を柔らかくする働きがあります。」といった記述を見かけますが、どうなんでしょうね?

迷ホラ吹き:日本酒も味醂も同じアルコール分なのに?

ぼやき先生:その働きが本当だとすると、素材を固くするのはアルコールによるのでなくブドウ糖によるのかもしれん。尤も、日本酒が“それほど固くしない”のでなく“反対”の働きをするというのは分からんな。

迷ホラ吹き:日本酒と味醂の大きな違いがブドウ糖の量だってんなら、あまり精白してなくて精米歩合の高い旨味成分の多い純米酒にブドウ糖を入れれば、素晴らしい味醂風調味料になっちゃう?

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脳関門を通過するアルコール-4

媚多眠氏:迷ホラさんが大事に熟成している《竹鶴》とか《山陰東郷》の生モト純米酒とやらで試してみたら如何?

迷ホラ吹き:とんでもない。何てことをいうんですか! 

ぼやき先生:ワッハッハ・・・、料理手順のどこでどのくらい入れるかなど、使い方も影響が大きいことだろうな。

媚多眠氏:そういえば、お酒を呑んだ翌日、部分的に前日の記憶が無いことがあるって言ってましたね。

迷ホラ吹き:友人のところでたくさん呑んでも無事帰り着くんですが、自宅玄関で「ただいま〜!」と言ったところから記憶がないことはしょっちゅうです。翌日目覚めるとちゃんとパジャマを着てるんですが、着替えた記憶がないんですよね。一番驚いたのは風呂に入った記憶が無かった時です。

媚多眠氏:それは危ないですね。気を付けて下さい。

ぼやき先生:アルコールは血液脳関門もフリーパスなのさ。

迷ホラ吹き:血液脳関門って聞いたような気もしますが、なんでしたっけ?

媚多眠氏:そういえば、血液脳関門についての説明はお聞きしていませんでしたね。

ぼやき先生:脳は神経細胞ニューロンで出来ているという話を覚えているかな?

迷ホラ吹き:ニューロン?

媚多眠氏:分裂しない細胞はガンにならないなんて話があったじゃないですか。

迷ホラ吹き:あぁ! ニューロンは増えないからガンにならないけど、そのお守り役のグリア細胞は増えるから脳腫瘍があるって話でしたね。

ぼやき先生:よく思い出してくれたな。脳の働きの実態はニューロンによるんだが、ニューロンはグリア細胞にお守りしてもらわないと働けないんだな。そのお守りの働きの一つとして、血液脳関門があるんだ。

迷ホラ吹き:関門てことは関所みたいなものでしょうかね?

ぼやき先生:その通り。さっき脳の血流量は全量の15%だなんて話があったが、脳は栄養と酸素を大量に消費するので毛細血管がびっしり張り巡らされているんだ。グリア細胞と毛細血管は協力してニューロンに必要な成分を送り込んでいるのさ。

媚多眠氏:ニューロンに必要な栄養物質は毛細血管の壁とグリア細胞とニューロンの細胞膜をすり抜ける必要があるということですね。

ぼやき先生:毛細血管の内皮細胞には大きめな水溶性の必要物質についてキャリアーとして働くようなレセプターがあり、それがニューロン内にまで運ぶのさ。

媚多眠氏:関門を通過する成分は、酸素の他ブドウ糖・ビタミン・カルシウム・中性アミノ酸などですね。

ぼやき先生:問題なのは、血液にはニューロンに入ってきては困る物質も流れているということさ。レセプターなしで入り込む好ましくない物質があるんだな。

媚多眠氏:小さい分子のものでは練炭自殺の成分の一酸化炭素、脂溶性成分ではシンナー・有機水銀・有機鉛・PCB、そしてアルコールなどですね。

迷ホラ吹き:アルコールも!

2012年7月

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