マーガリンは毒物!?-1 迷ホラ吹き:イヤー、ストレスってのは怖いものなんですねえ。 媚多眠氏:そうなんです。しかし、以前は感覚的にしか分かっていなかったものが、科学的、化学的に説明できるようになり、ずいぶん対策が立てられるようになりました。 迷ホラ吹き:まずは、活性酸素の問題ってことですね。 媚多眠氏:そうです。ストレスにより活性酸素の発生量は増えるし、それを消去するためのものは減るわけですからね。活性酸素対策は、ストレスに対する最重要項目と言えるでしょう。 迷ホラ吹き:それから、ナチュラル・キラー細胞でしたっけ、ガンをやっつけてくれるってヤツ。そいつが、死んじゃうってんで、まずいんですよ。 媚多眠氏:よく、覚えてきました。ナチュラル・キラー細胞はNK細胞とも言って、ガン細胞や、ウィルス感染細胞を殺してくれるのです。その方法は、先生曰く、相手のどてっぱらに、パーフォリンというタンパク質を突き刺し、穴を開けてしまうというものです。 ぼやき先生:細胞というのは生き物の最小単位で、膜に包まれている。その膜に穴が開いたら、中身は出ていくわ、外のものは中に入ってくるわで、生きちゃおられんというわけさ。 迷ホラ吹き:なるほど、穴を開けちゃうってのはそういう意味なんですか。 ぼやき先生:NK細胞はそうやって悪い細胞を殺しているんだが、なぜか「ステロイドホルモン」の受容体を持っているんだな。 媚多眠氏:その受容体に、ステロイドホルモンがくっつくとNK細胞は死んでしまうから、免疫力が低下してしまうわけです。 迷ホラ吹き:ステロイドホルモンってのは、お医者様からもらうクスリだとばっかり思ってましたが、ストレスなどによって自分の副腎で作られる「抗ストレスホルモン」なんだってことでしたっけネ。 媚多眠氏:そこまで分かれば、かなりのストレス対策が出来ますね。 迷ホラ吹き:一つは活性酸素対策、もう一つはNK細胞を頑張らせることでしょうか。 媚多眠氏:そうです。だいたい、活性酸素の話からストレスの話になったのですから、これは当然なんです。 迷ホラ吹き:そうでしたよね。ストレスが無駄な活性酸素を発生させることがよく分かったし、身体の中のビタミンCやビタミンEを減らすことが分かりました。 ぼやき先生:まずは良質タンパク、そしてビタミンCやE、さらにイチョウ・フラボノイドのような抗酸化物質は、普段から積極的に摂取しておきたいものだな。 迷ホラ吹き:普通の食べ物をバランスよく食べていてもダメってことですよね。 ぼやき先生:前にも言ったが、ビタミンは個人個人の必要量の問題が大切なんだ。その人によって必要量は違うんだな。 |
マーガリンは毒物!?-2 媚多眠氏:うちの店で、ビタミンを奨めるのは決して売らんがためじゃないんですよ。分子栄養学の筋道に則っているんですから…。本当は相談料でももらって、必要な商品を紹介するだけにしたいんですけど、それじゃあ食っていけませんからね…。 迷ホラ吹き:はは、ぼやきがうつったみたいですよ。 媚多眠氏:し、失礼しました。さて、NK細胞を活性化するには、どうしたらいいんでしょうか? 迷ホラ吹き:ハハハ…、笑えばいいんでしょ。 ぼやき先生:そのとおり。 迷ホラ吹き:でも先生、可笑しくもないのに笑うのもきついし、第一、一日中笑っていたらバカみたいじゃありません? ぼやき先生:そりゃあ、そうだな。 媚多眠氏:笑うことの他に、インターフェロンがNK細胞を活性化するということも、お聞きしました。 ぼやき先生:インターフェロンの出来が悪い人は、ウィルスに弱いだけじゃなくてガンにもなりやすい、と言えるかも知れんということだな。 迷ホラ吹き:インターフェロンはカゼの話の時に出てきたんですよね。ビタミンCが足りないと作れないって。 ぼやき先生:そのとおり。まあ、何にしてもビタミンCはたっぷりとっておいたほうが無難だということが分るってもんだな。 媚多眠氏:さて、活性酸素の話も一段落です。 迷ホラ吹き:われながら、ここまで良く勉強したもんです。 媚多眠氏:ここまでに勉強したことをまとめてみると、「栄養はバランスではない」とか「コレステロールは大切な栄養だ」とか「健康管理のキイワードは活性酸素だ」なんてことをお聞きしてきました。 迷ホラ吹き:そうでしたねえ。けっこう、健康常識にはウソが多いんでびっくりしています。 媚多眠氏:さて、その健康常識のウソの中のひとつですが、ウチの店では先生の指摘で、10年も前から食べないほうが良いと言い続けている「マーガリン」の話に入ろうかと思います。 迷ホラ吹き:僕は媚多眠氏から聞いていたので、マーガリンを食べないようにしていますが、植物性だからバターより身体に良いとか言っている人が、まだまだ多いみたいですね。 ぼやき先生:植物性だ、動物性だという分け方自体に意味がないんだが、ビスケットやクッキー、そしてパンを焼くときにも使われているマーガリンを排除することは、重要だと言えるだろうな。 迷ホラ吹き:でも、どうして厚生省とか、国は何も言わないんですか? ぼやき先生:病気との明確な関係は、まだ説明できていないんだ。疑わしきは罰せずというのが、日本のお役所のとる態度なんだと。 媚多眠氏:スモンなんかがそうでしたけれど、はっきりしてからじゃ被害が大きいんですがね。 迷ホラ吹き:欧米では、どうなんですか? 媚多眠氏:ヨーロッパでは、すでに使用禁止になっている国もあると聞いています。 |
マーガリンは毒物!?-3 ぼやき先生:ドイツでは、マーガリンの消費量とクローン病患者の数が比例して増加したため、すでに使われていないようだ。 迷ホラ吹き:クローン病ってどんな病気なんですか? 媚多眠氏:ひどい場合は口から肛門まで、消化器官全体に潰瘍ができてしまうという、恐ろしい難病です。 迷ホラ吹き:ヒェー、怖いですね! それがマーガリンのせいだって言うんですか?! ぼやき先生:疑いが濃いってことさ。 媚多眠氏:疑わしきを罰するってのが、ドイツのとった態度ですね。 迷ホラ吹き:なるほどねえ。そんなに悪いマーガリンを、一体、なんだって作っちまったんですか? 媚多眠氏:御存知の通り、マーガリンはバターの代わりなんです。 ぼやき先生:人造バターって言うんじゃ売れそうにないから、格好よくマーガリンなんて名がついたんだが、当然バターより安く作るために合成されたものなんだな。ついでに言っておけば、人造ラードが「ショートニング」だ。 媚多眠氏:ショートニングを使って焼いたパンは多いですから、気をつけて下さい。 迷ホラ吹き:使っているかいないか、分るんですか? 媚多眠氏:パン屋さんに聞くしかないんですが、いわゆる「フランスパン」は基本的にショートニングを使っていないはずです。 迷ホラ吹き:フランスパンか。かたいけど、美味しいんですよね。 媚多眠氏:浜松聖隷三方原病院は日本一の病院食で有名なんですが、そこの栄養科主催で定期的に分子栄養学の勉強会をやっていて、僕も参加しています。その時、栄養科長の金谷節子先生にうかがった話なんですが、曲がったクロワッサンはマーガリン、まっすぐなクロワッサンはバターを使っているそうです。 迷ホラ吹き:クロワッサン食べるなら、まっすぐなヤツってことですね。 ぼやき先生:フランスではね。 迷ホラ吹き:え? 日本では・・・? ぼやき先生:パン屋さん次第ってことかな。 迷ホラ吹き:ガックリくるじゃないですかあ。 ぼやき先生:ワシは、パンはフランスパン以外は食わないんだ。 媚多眠氏:ところで、知人から聞いた話なんですが、最近(2000年10月現在)、テレビの料理番組でマーガリンを使わなくなったって言うんですが、御存知ですか? ぼやき先生:ホホー、ワシはテレビを見ないんで知らんが、そこまでは浸透してきたということか…? 媚多眠氏:スポンサーに遠慮してか、マーガリンが身体に悪いとか、なぜバターに替えたのかなどの説明はしてないそうです。もっとも、僕も料理番組を昔から見ているわけじゃありませんから、本当のところは知りませんがね。 ぼやき先生:実は、一昨年(1999年)初めて、厚生省がマーガリンの危険性を指摘してはいるんだ。媚多民氏のお店には用意してあると思うが、「第六次改定 日本人の栄養所要量 食事摂取基準」と言う本が、それだ。 媚多眠氏:ええ、今持ってますよ、ここに。 ぼやき先生:その57ページを見てくれ。 |
マーガリンは毒物!?-4 媚多眠氏:えーっと、ああ、ありました。『トランス酸の摂取量が増えると、血漿コレステロール濃度の上昇、HDL-コレステロール濃度の低下など、動脈硬化症の危険性が増加すると報告されている。』と書いてあります。 ぼやき先生:実にさらっと書いてあるが、問題はそれだけじゃないんだ。まあ、危険性を指摘したという事実だけでも価値があるってもんだな。 迷ホラ吹き:ところで、『トランス酸』ってなんですか? 媚多眠氏:それが、マーガリンやショートニングのことですよ。正確に言えば、マーガリンやショートニングは『トランス型脂肪酸』を含む、と言うことなんですけどね。 ぼやき先生:トランス型脂肪酸は、基本的に自然界には存在しない形*をしているんだ。いわゆるアブラの主成分が脂肪酸なんだが、脂肪酸は炭素が鎖のように長くつながった構造をしているんだ。そのつながり方によって2種類の立体構造ができるんだが、その一つが『トランス型』、もう一つが『シス型』と言うってことさ。 迷ホラ吹き:2種類の立体構造って、つまり形が違うってことですか? 媚多眠氏:そうです。 迷ホラ吹き:トランス型っていう形と、シス型っていう形の2種類ってこと? 媚多眠氏:そういうことです。 迷ホラ吹き:そのうちのトランス型の脂肪酸が、身体に悪い形をしているってことなんですか。 媚多眠氏:まさに、その通りです。 ぼやき先生:マーガリンの原料は、魚油や植物油など二重結合の多い、常温で液体のアブラなんだな。そのままではパンに塗るのに不便だから、ちょうどいい硬さになるように二重結合をうまく減らしてやればいい。 迷ホラ吹き:ふ〜ん。 ぼやき先生:その時の化学的処理を水素添加というんだが、これをやると、どうしても半分くらいがトランス型になってしまうんだと。 迷ホラ吹き:残りの半分はシス型ができるんですか? ぼやき先生:ああ。 迷ホラ吹き:じゃあ、シス型だけとり出して使えばいいんじゃないですか。 媚多眠氏:技術的にはできるようですが、それは意味がありません。 迷ホラ吹き:どうしてですか? 媚多眠氏:バターより値段が高くなってしまうからです。 迷ホラ吹き:なるほど・・・。 ぼやき先生:次回は、少しややこしい話になるかな・・・。 *実は、反芻動物の肉や乳には少量のトランス酸が含まれる。シス型からトランス型への変換は比較的簡単に進むがその逆は難しい。トランス酸の害は量に依存する。よって、むやみに怖がる必要はないかもしれないが、わざわざトランス酸の摂取が増えるようなことはしないほうが良いというのが当サイトの姿勢である。必要以上にマーガリンを敵視しているのは、バターよりマーガリンの方が体に良いという人が多いからである。 また、ヨーロッパで使用禁止になっているという情報は確認をとっていない。あくまでもうわさ話である。ドイツでは禁止にななっていないらしいがマーガリンを食べる人は少ない。 |