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おしゃべり分子栄養学 15
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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プロスタグランディン-1

迷ホラ吹き:今回は、ややこしい話になるんですね・・・?

ぼやき先生:なぜ、マーガリンが身体に悪いかを考えねばならんからな。

迷ホラ吹き:形が違うってことが問題で、トランス型が悪いって話でしたよね。

媚多眠氏:そうです。ビタミンAなどの例外もありますが、自然界の脂肪酸立体構造は基本的にシス型で、トランス型はないんです。

ぼやき先生:その話をしていくと「プロスタグランディン」が出てきて、ややこしくならざるを得ないってことなんだな。

迷ホラ吹き:おっと! いきなり出てきましたね、「プロスタ・・・」。スタコラさっさと退散しようか・・・。

媚多眠氏:あのねえ、「プロスタグランディン」ですよ。少しづつ説明してもらいますから、ふざけないほうがイイですよ!

迷ホラ吹き:ごめんなさい。えーっと・・・。

媚多眠氏:プロスタグランディン、です。

迷ホラ吹き:プロスタ・グランディン、ですね。でも、そいつがマーガリンとどんな関係があるんで?

ぼやき先生:まあ、慌てずにゆっくりと行こう。まずはプロスタグランディンとは何かということからだな。

媚多眠氏:精液の中に子宮を収縮させる物質があり、それが脂肪酸の一種であることが分った、というのが最初です。

ぼやき先生:その時に前立腺由来の物質だということで、プロスタグランディンという名前がついたんだ。前立腺は英語で「プロステイトprostate」とか「プロステイトグランドprostate gland」というんだな。

迷ホラ吹き:ふーん、前立腺か。・・・ってことは、女性には関係無いってことですか?

媚多眠氏:いいところに気がつきましたがね。

ぼやき先生:研究が進み全身規模で発見されたので、本来の意味からすると見当違いの名前だとわかったんだが、今でも変更されてないってわけさ。ついでに言えば、最初に発見されたものも前立腺ではなく、精のう腺由来だということが分っている。

迷ホラ吹き:なんだ、前立腺は全然関係無いじゃん!

ぼやき先生:そういうことなんだが、名前だけは残ってしまったということさ。

迷ホラ吹き:で、前立腺に全然関係無いプロスタグランディンってのは、何をやっているんですか?

媚多眠氏:生きるための身体の調節に関わっているんですよ。

ぼやき先生ホメオスタシスを覚えているかな。

迷ホラ吹き:覚えてますとも。恒常性ってことで、頑固な性格なんですよね。

媚多眠氏:頑固な性格?


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プロスタグランディン-2

迷ホラ吹き:だって、身体の中のいろいろな数値は環境の変化に影響を受けないで、いつもおんなじだってことでしょう? 冬になっても夏が来ても37度位の体温とか。流行に流されないんだから、それは頑固でしょう。

媚多眠氏:まあ、そうですね。

迷ホラ吹き:その「いい頑固さ」を壊そうとするのがストレスでしたよ。

媚多眠氏:変なこといっているようで、ちゃんと理解しているみたいですね。

ぼやき先生:そのようだな。

媚多眠氏:じゃあ、その頑固さを保つためのものは何でしたっけ?

迷ホラ吹き:まかして下さい。「神経系」と「ホルモン系」でしょ! ホルモン系は「内分泌系」ともいいます。いい頑固さを保つには、柔軟性が必要なんです。

ぼやき先生:そこまで分っていれば、先にすすめそうだな。実は「神経系」や「内分泌系」による身体の調節を助けているのが「プロスタグランディン」なんだ。

迷ホラ吹き:ふ〜ん。それで?

ぼやき先生:迷ホラさん、自動車でも自転車でもいいんだが、乗れるかい?

迷ホラ吹き:もちろん! ゴールド免許です。

ぼやき先生:ワシなんか、シルバーシートのゴールド免許だ。

媚多眠氏:・・・?

迷ホラ吹き:・・・?

ぼやき先生:そ、そんなことはどうでもいいんだが、まっすぐな道路をまっすぐ走るときのハンドル操作を思い出してくれ。

迷ホラ吹き:運転のうまい僕に、そんなことを聞くんですか。まっすぐ走るだけなら、ハンドル操作なんか要らないじゃないですか。

媚多眠氏:本当にそうですか?

迷ホラ吹き:そりゃあ、そうでしょう。

媚多眠氏:じゃあ、ハンドルを固定しちゃっても、まっすぐ走れるんですね?

迷ホラ吹き:イヤイヤ、ちょっと待って下さい。少しは動かしますよ。風の影響なんかを受けますからね。微調整が必要ですね。運転が下手な人はこの微調整がうまく出来ず、まっすぐ走っていてもフラフラするんですよ。

ぼやき先生:それなんだな。

迷ホラ吹き:え? どれですか?

媚多眠氏微調整ですよ。

ぼやき先生プロスタグランディンというのは、ホメオスタシス維持のための微調整に関わる物質ということなんだな。

迷ホラ吹き:ふーん。

ぼやき先生:神経系や内分泌系は、はやい遅いの違いはあるが全身規模で働いている。ところがプロスタグランディンは微調整ということだから部分的局所的に働くんだ。寿命が短いってことさ。

媚多眠氏:それで「局所ホルモン」とも呼ばれることがあります。

迷ホラ吹き:具体的には、どんな働きをしているんですか?

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プロスタグランディン-3

ぼやき先生:八面六臂の活躍なんだが、例えば血管を締めたり弛めたり、気管支を締めたり弛めたりなんてことをやっている。

媚多眠氏:つまり、ゼンソクの発作が起きたり高血圧になったりなんてのもプロスタグランディンが関係しているということですよ。

迷ホラ吹き:なるほど、それは大事な働きですね。その大事な働きをするプロスタグランディンは、脂肪酸だとか言ってましたね。

媚多眠氏:良く覚えていました。最近ツボを押さえるのが上手いですね。

迷ホラ吹き:えへへ。

ぼやき先生:プロスタグランディンの種類はすごく多いんだが、大きく3つに分けることが出来るんだ。そしてその原料になるのがアブラ、つまり脂肪酸だということなんだな。

迷ホラ吹き脂肪酸といえば「飽和」とか「不飽和」とか、あったような気がしますが。

媚多眠氏:そうです。

迷ホラ吹き:どこで出た話でしたっけ?

媚多眠氏細胞膜リン脂質のところですよ。

迷ホラ吹き:ああ、そうだ。リン脂質には2つの脂肪酸があって、1つは必ず不飽和脂肪酸だと覚えたんだ。そうそう、不倫ラジカルの連鎖反応のところですねー。

媚多眠氏フリーラジカル連鎖反応でしょう!

迷ホラ吹き:そうでした。

ぼやき先生:そこで大事なことだ。プロスタグランディンは3つに分けられると言ったが、その原料になれる脂肪酸は3つが決まっているということなんだ。しかも、その原料は、細胞膜のリン脂質から切り出してプロスタグランディンを合成することになっている。

迷ホラ吹き:自分の細胞膜を材料にするってことなんですか?

ぼやき先生:そういうことだな。リン脂質の2つの脂肪酸のうち不飽和脂肪酸の方を使うんだが、さっき言った通りプロスタグランディンの原料になれるのは3つが決まっているんだ。

媚多眠氏:その3つとは「ジホモ・ガンマ・リノレン酸」「アラキドン酸」「エイコサ・ペンタ・エン酸」です。

迷ホラ吹き:う〜ん、難しい名前が出てきましたね。

媚多眠氏:この3つは、いくら難しくても何とか名前を覚えて下さい。

迷ホラ吹き:これも、お経より御利益があるって言うんですね?

ぼやき先生:「ジホモ・ガンマ・リノレン酸」「アラキドン酸」「エイコサ・ペンタ・エン酸」の3つの不飽和脂肪酸は、人間が生きていくうえでどれ一つとして欠かすことが出来ない。そこで、これらを「不可欠脂肪酸」と呼びたいんだな。

迷ホラ吹き:「ふかけつ・しぼうさん」ですか。

媚多眠氏:人体でつくることが出来ないアブラとして有名なのは「リノール酸」なのですが、そのリノール酸と「アルファ・リノレン酸」の二つを「必須脂肪酸」といいます。

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プロスタグランディン-4

迷ホラ吹き:アルファ・リノレン酸は知りませんが、リノール酸ってのは聞いたことがありますよ。

媚多眠氏:アルファ・リノレン酸はシソのアブラに多く、話題になったこともあるんですがね。まあ、とにかくそれらは必須脂肪酸であって、不可欠ではないということなんですよ。

迷ホラ吹き:必須だけど不可欠ではない?

媚多眠氏:意味はほとんど同じなんですが、迷ホラさんにとって必須のものと不可欠のものがあったら、どっちをとりますか?

迷ホラ吹き:う〜ん、欠けたらまずいってんで、不可欠のほうかなあ?

ぼやき先生:そのとらえ方で結構。脂肪酸の働きはいろいろあるが、ここではプロスタグランディンに絞って考えていっても良いだろう。じつは、体内でリノール酸からジホモ・ガンマ・リノレン酸アラキドン酸もつくることは可能なんだな。

迷ホラ吹き:ふーん。残りの「ヨッコラサ・・・ウンコラサ・・・」でしたっけ?

媚多眠氏:・・・? エイコサ・ペンタ・エン酸でしょう!

迷ホラ吹き:それそれ、そのエイコサ・ペンタ・エン酸はどうなんですか?

ぼやき先生:御察しの通り、アルファ・リノレン酸からつくられる。

迷ホラ吹き:なるほど、それで必須ではないんですね!

媚多眠氏:ああ、体内で合成できないアミノ酸が必須アミノ酸だ、と言うのを思い出したんですね。

迷ホラ吹き:そうなんですよ。必須アミノ酸はすごく大事だったのに、必須脂肪酸はそうでもないんですか?

ぼやき先生:少しややこしいんだが、細胞膜のリン脂質には必ず不飽和脂肪酸があり、それを切り出してプロスタグランディンをつくるといったが、リン脂質の材料としての不飽和脂肪酸は何でも良いことになっているんだな。

迷ホラ吹き:ということは?

ぼやき先生:プロスタグランディンの原料になれない不飽和脂肪酸でも、リン脂質の材料になれるということなんだ。

媚多眠氏:細胞が自分と自分じゃないものを区別するためだけに細胞膜があるのだったら、リン脂質の不飽和脂肪酸は何でも良いわけでしょう。

ぼやき先生:ところが細胞膜は、プロスタグランディンの原料としても重要だということなんだ。分るかな?

迷ホラ吹き:もし、細胞膜に不可欠脂肪酸が入ってないとプロスタグランディンが作れないってことですね?

ぼやき先生:そうなったら?

迷ホラ吹き:身体の微調整が出来ないってこと?

ぼやき先生:そういうことなんだな。

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