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おしゃべり分子栄養学 19 
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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発ガン物質とタバコ-1

媚多眠氏いろいろな健康情報が溢れるなか、その真偽は別としてダイエットガンについてのものがトップの多さではないでしょうか。

迷ホラ吹きそうですね。本屋さんに行くと『□□を飲むだけでやせる』とか『○○でガンが治った』なんて本がずらりと並んでいますよ。

媚多眠氏著者が専門医になっているものも、結構あります。

迷ホラ吹きいくら専門医が書いていたって、そんなに簡単にやせたりガンが治ったりできれば、世の中に肥満の人とガン患者はいなくなるはずなんですがねえ。

ぼやき先生その手の本は、ゴーストライターによるものが多いということらしいんだな。専門医は名前を貸しているだけってことさ。

媚多眠氏そういえば、それらの本に共通していることは、何故かという説明は中途半端で、ほとんどが体験談で訴えるというものですね。

迷ホラ吹き理屈っぽくないってことですか?

媚多眠氏そうです。飲めば効くというだけのものがほとんどです。古くはローヤルゼリーやクロレラ、キチンキトサンに核酸にサメの軟骨、日本山人参にプロポリスにアガリクス。

ぼやき先生それら全てがインチキだとは言わんが、発ガンのメカニズムに対処できる説明が無ければ、マユツバだと言われても仕方ないだろう。

媚多眠氏:アルカリイオン水など、水の世界もインチキだらけだから要注意です。

迷ホラ吹きでも、体験談って、妙に説得力あるんですよね。

媚多眠氏そうかもしれませんが、うまくいった人の体験談を並べるのなら、誰でもできるということなんですよ。

ぼやき先生さらに、尤もらしい屁理屈もついている。

媚多眠氏私も騙されていたんですが、水のクラスター理論というのは1994年に科学的にハッキリ否定されているんですってね。

ぼやき先生ちゃんとした理屈がないと、巧妙な屁理屈のついたインチキ健康食品やインチキ宗教に騙されるってことだ。迷ホラさん、どうする?

迷ホラ吹きわ、分かりましたよ。ガンのお話、拝聴いたしますので、よろしく。

ぼやき先生おどすわけじゃないが、込み入った話になるからそのつもりでいてくれ。

媚多眠氏では、発ガン物質とはどういうものか、ということからいきましょうか。

迷ホラ吹き僕の身体にもガン細胞はあるけど、NK細胞のおかげでガンにならないなんて話があったような・・・。

ぼやき先生よく覚えておった。今、話そうとしているのは、そのように病的なガン以前の、ガン細胞の最初期の話をしようとしているんだ。

迷ホラ吹き願わくば、分かりやすいことを神と仏に祈ります。

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発ガン物質とタバコ-2

媚多眠氏まずは発ガン物質の発ガン性とは、一体なんだということからですね。

ぼやき先生:永田親義先生(1922-)は『発ガン物質は求電子体として生体内の求核体と反応する』という法則を発見したんだ。

迷ホラ吹き・?・?・?・・・。

媚多眠氏永田先生は国立がんセンター生物物理部創設とともにその部長を務めた、発ガンメカニズムの研究で高名な方です。

迷ホラ吹きう〜ん、エライ人はやはりコムヅカシイことを言うものですねえ。一般人の、しかも凡人の僕に何とかなるんでしょうか?

ぼやき先生:駑馬十駕で努力すればな。

迷ホラ吹きどばじゅうが?

ぼやき先生ダメな馬でも10日間走れば、優れた馬に追いつくことができるということさ。

迷ホラ吹きへいへい、分かりました。

媚多眠氏マイペースが大切という意味もあるんですよ。まずは、耳慣れない言葉の説明からうかがいましょう。

迷ホラ吹きええ、お願いします。「きゅうでんしたい」と「きゅうかくたい」というのは、全くの初耳です。

ぼやき先生求電子体」というのは、電子が欠乏した状態になっていて電子を受け入れやすいものということだな。読んで字のごとく、電子を求めるもののこと、といったら分かりやすいかな。

迷ホラ吹き電子を求めるって言われたって・・・。

媚多眠氏電子を求めて奪うものと言ったら、何かピンと来ませんか?

迷ホラ吹き電子を奪うといえば、酸化するということで、酸化といえば活性酸素ですか?

ぼやき先生厳密に言うとフリーラジカル活性酸素ということなんだ。前にフリーラジカルの連鎖反応なんてのをやったが、フリーラジカルは種類がたくさんある。活性酸素の中でもスーパーオキサイドヒドロキシルラジカルがそうだったな。

媚多眠氏どっちも求電子体ですが、厳密にいうと、フリーラジカルと活性酸素は違うということなんですね。

迷ホラ吹きじゃあ、「求核体」ってのは?

ぼやき先生電子が過剰にあって、核のようなプラスの電荷を持ったものを求めるという意味だな。電子はマイナスの電荷を持っているからな。

媚多眠氏核を求めるというのは逆に考えると、電子を与えるということ。もっと分かりやすく言えば、電子を奪われるものということです。

迷ホラ吹き酸化されるものってことですか?

媚多眠氏そうです。

ぼやき先生つまり、この法則の意味は「からだの大切な物質から電子を奪い取るような反応を起こす物質が、発ガン物質だ」といっているわけなんだ。

媚多眠氏化学反応というのは、みんな電子のやり取りがその本体ですから、発ガンという現象も、ありふれた化学反応だったということなんですよ。

 

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発ガン物質とタバコ-3

迷ホラ吹き:活性酸素が発ガン物質だってことですか?

ぼやき先生:活性酸素を発ガン物質と呼ぶには無理があるだろう。最終的には体内で、活性酸素を大量に発生させるものが発ガン物質だと言えるんだが、ちゃんと説明するともう少し込み入っている。

迷ホラ吹き:あ゛ー。あたま痛くなりそう。

媚多眠氏イチョウ葉エキスが必要ですか?

ぼやき先生:イチョウ葉エキスが脳循環を良くすることはお墨付きだから、少し濃いやつを飲ましてやったらいい。

迷ホラ吹き:濃いやつ? ‥‥‥ウェーッ、苦い!

ぼやき先生:では、いいかな。苦味が走ったイイ男の迷ホラさん。

迷ホラ吹き:ハ…ハハ…、ニガミバシッタって言って下さいよ。

ぼやき先生発ガン物質というのは、それ自体が求電子体として、またはフリーラジカルとなってDNAを攻撃してDNAとの結合体を作る直接作用と、発ガン物質からフリーラジカルができるときに発生する活性酸素によるDNAへの間接作用、の2つを持つということなんだ。

迷ホラ吹き:何とか、もっと簡単に分かりやすい説明が出来ないものなんですか?!

ぼやき先生:誤解を恐れずに簡素にいってみようか。

迷ホラ吹き:お願いしますよ。

ぼやき先生:発ガン物質は、体内での代謝の過程でフリーラジカルを生成するということが一つ。

迷ホラ吹き:はい。

ぼやき先生:もう一つは、フリーラジカルが生成すると活性酸素も生成するということなんだ。そして、発ガン性の強いものほどフリーラジカルや活性酸素の発生も多いということなんだな。

媚多眠氏:だから、発ガン物質は、身体の中でフリーラジカルと活性酸素をたくさん発生させるようなもの、ということになるわけですよね。

迷ホラ吹き:なるほどね。

ぼやき先生:その代表的な物質が、コールタールや煤(すす)の成分の「ベンツピレン」なんだな。

媚多眠氏:イギリスでコールタールを扱う人達の間に皮膚ガンが多発し、コールタールの中の何が発ガンさせるのかという研究から、ベンツピレンが見つかったということなんですね。

迷ホラ吹き:コールタールは、発ガン物質だということですか?

媚多眠氏:そういうことです。タール中の発ガン物質の本体が、ベンツピレンだということです。コールタールには、発ガン物質の本体であるベンツピレンが多量に含まれています。それでコールタールには、発ガン性があるというわけです。

迷ホラ吹き:なんだか、くどい言い方ですねえ。

ぼやき先生:それに気づけば、けっこう。

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発ガン物質とタバコ-4

媚多眠氏:次の話題へ進むための言い方なんです。

ぼやき先生:ガンの問題で、タールといったら身近なもので何か思い浮かばんかな。

迷ホラ吹き:分かりました! タバコですね。

媚多眠氏:そういうことです。

迷ホラ吹き:タバコといえば、ガンが怖いといってタールニコチンの量を気にしながら吸っている友人がいますよ。気にするくらいなら止めればいいのにね。

ぼやき先生:まあ、その通りだな。タバコのタールを気にしたって、全く意味はないんだから。

迷ホラ吹き:それはどういう意味ですか? タバコのタールは安全だってこと?

ぼやき先生:ガンには、コールタールアスベストなど特定のものに特別多くさらされる人達に発生する職業ガンと、偶発ガン、いわゆる自然発生ガンがあるんだ。

迷ホラ吹き:なるほど。コールタールが発ガン物質だといっても、それに接しない人にとっては無関係ですものネ。

ぼやき先生:まあ、そんなわけで人のガンの最大原因はタバコ食物・栄養といわれているんだな。

迷ホラ吹き:ええっ! やっぱりタバコのタールも危ないってことですか?!

媚多眠氏:ここが少しややこしいところなんですがね、タバコにある発ガン性はタールによるものではないということなんですよ。

ぼやき先生:タバコタール中に含まれるベンツピレンの量は、コールタールの一万分の一しかないんだ。つまり、タバコタール中のベンツピレンでガンを作ろうとしても、量的に無理なんだな。

媚多眠氏:つまり、タバコの発ガン性はタールではなくて、別のものにあるということなのです。

迷ホラ吹き:ということは、タールが多いタバコだろうが少ないタバコだろうが、発ガン性についてはどちらも同じ危険性があるということなんですね?

媚多眠氏:タールが多いタバコだといっても、発ガンさせるほどは含まれてないということですからね。

迷ホラ吹き:じゃあ、いったいタバコには何が含まれるんですか?

ぼやき先生活性酸素さ。

迷ホラ吹き:エーッ!

ぼやき先生:正確にいうと、過酸化水素がタバコの煙の中に多量に発生しているということだ。1984年に永田先生が初めて見出したことなんだがね。

媚多眠氏:あの、寿命の長い陰険な活性酸素の過酸化水素ですよ。

ぼやき先生:過酸化水素は生体膜を通り抜けることが出来、などの金属イオンに出会うとヒドロキシルラジカルを発生する、なんてことも思い出して欲しいんだな。

迷ホラ吹き:それは、活性酸素の話を復習しとけってことですね。

媚多眠氏:おあとがよろしいようで…。

 2001年9月

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