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おしゃべり分子栄養学 23
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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発ガン二段階説-1

媚多眠氏:ガン細胞はかたちが崩れているという、前回までの話は如何ですか?

迷ホラ吹き:ハイ、タンパク分解酵素抑制タンパク活性酸素にやられてしまう、ということでした。

媚多眠氏:タンパク分解酵素抑制タンパクは長いので「PIタンパク」と略しましたね。

迷ホラ吹き:そうでした。プロテアーゼと、は何でしたっけ?

媚多眠氏抑制するという意味のインヒビターですよ。

迷ホラ吹き:L・O・V・E…。愛は、抑制かあぁ…。

媚多眠氏:何、言ってるんですか。禁止という意味もありますよ。

迷ホラ吹き:ゲッ! 禁止? 貧しきものに愛のお恵みを!!

ぼやき先生:ワシの愛で良ければ、いくらでも…。

迷ホラ吹き:えっ? も、もう先生からは溢れそうなくらいたくさん頂いておりますので、遠慮しておきマスです。

媚多眠氏:ははは。とにかく、PIタンパクが壊れて離れると、タンパク分解酵素が働きだして骨格タンパクが壊れ、細胞のかたちが崩れるというのは大丈夫ですね。

迷ホラ吹き:ええ、でも、それでガンが始まるわけではないって言ってましたね。

媚多眠氏:そうでしたね。発ガンには段階があるということでした。

ぼやき先生:発ガンには、大雑把に分けて2つの段階があるんだが、前回の細胞のかたちが崩れるというのは、実は第2段階だったんだな。

迷ホラ吹き:では、第1段階があるということですね?

媚多眠氏:そう言うことになります。

ぼやき先生:しかも、第1段階を踏んで第2段階にならないと、ガンにはならないらしいってことさ。

媚多眠氏:先に第2段階になっても、ガンにはならないということなんです。

迷ホラ吹き:えっ? じゃあ、細胞のかたちが不細工に崩れても、ガンにならないんですか? ガン細胞は不細工だって言ったじゃないですか。良く分からないなあ…。

ぼやき先生:まあ、そう慌てずに、第1段階の話を聞いてくれ。

迷ホラ吹き:分かりました。とくと、お聞きしましょうじゃないの。

媚多眠氏:なんか、日本語が変ですよ。

迷ホラ吹き:ははは、チョット頭が壊れかかっているかもしれません。また、苦いイチョウ葉エキスを飲んでおこう…。

媚多眠氏:準備オッケーのようです。

ぼやき先生:第1段階というのは、DNAの突然変異なんだ。

迷ホラ吹き:DNAの突然変異? そりゃあ、ガンになりそうだ。

ぼやき先生:前に話した通り、DNAは細胞の中の核にある。ということは、DNAの突然変異がおきた時点では核の形や大きさ、つまり核膜に変化がおきているんだが、細胞膜には変化がおきていないんだな。

迷ホラ吹き:それは、核の形は崩れているけど、細胞の形は崩れていないってことですか?

ぼやき先生:まあ、そういうことだ。この第1段階を「イニシエーション」という。


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発ガン二段階説-2

迷ホラ吹き:イニシエーションですか。

ぼやき先生:「開始」と言う意味があるんだが、日本語でいえば「引金段階」と言うことさ。

媚多眠氏:細胞の形が崩れる第2段階は「プロモーション」というんですよね。

ぼやき先生:そう、プロモーションは「増進」と言う意味なんだが「後押段階」ということになるんだな。

迷ホラ吹き:イニシエーションにプロモーションですか。

ぼやき先生:実は、第3段階もあって「プログレッション」というんだが、これは悪性への進行段階なんだ。

迷ホラ吹き:悪性! その段階は、御遠慮願いたいですね。

ぼやき先生:プロモーションは、いくつかの段階に分かれるということで「発ガン多段階説」と呼ばれ、多くの条件を満たさないとガンはできないことが分かっているんだな。

迷ホラ吹き:ふ〜ん。

媚多眠氏:それで、今は大きく二つに分けた発ガン2段階説として話をうかがっているというわけです。

ぼやき先生:要するに細胞のガン化は、まずイニシエーションという第1段階を踏んで、次にプローモーションという第2段階にならないと、進まないということなのさ。エリートと呼ばれる人達がいろいろな試験に順次パスしていくように、ガン細胞になるためには、いくつかの条件を順にパスしなければいけないということさ。

媚多眠氏:ガン細胞は、いくつもの難関をくぐり抜けているってことですね。

迷ホラ吹き:エリート細胞ってことですか?

ぼやき先生:そうも言えるってことだ。第1段階から第2段階へ進むのに、20年もかかるという話もあるくらいなんだから。

迷ホラ吹き:僕は、エリートってのはどうも鼻持ちならなくて嫌いなんですよ。

媚多眠氏:ひがまない、ひがまない。

ぼやき先生:エリートを嫌うからには、エリートのことを良く知らねばならん。

迷ホラ吹き:ハイハイ、分かりましたよぉ。

媚多眠氏:とにかく、細胞がガン化するには、いきなり細胞膜の形が崩れるのではなく、まずDNAの突然変異による核の変化があるということなのですね。

迷ホラ吹き:ってことは、細胞の形が崩れても核の変化がなければガンにはならないってことですか?

ぼやき先生:それどころか、核の変化がおきてもそれだけで終り、ガン化に進まないこともあるってわけさ。何せガン細胞はエリートだからな。

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発ガン二段階説-3

迷ホラ吹き:あのぉ…、恐る恐る、おうかがいしますが…。

ぼやき先生:なんだい?

迷ホラ吹き:さっき、DNAの突然変異と聞いて分かったような気がしていたんですが、第1段階のDNAの突然変異って、どういうことなんですか?

媚多眠氏:そうですよね。イニシエーションとプロモーションの違いの話とからめて、もう少し詳しくおうかがいしましょう。

ぼやき先生DNAには大切な遺伝情報がある、ということことはいいだろう?

迷ホラ吹き遺伝子ということですよね。

ぼやき先生:そう。ある発ガン物質が、そのDNAに結合したり一部分を欠損させたりする突然変異を起こし、正常な遺伝情報を狂わせる段階がイニシエーションなんだ。

媚多眠氏:DNAの構造が変わるということですね?

ぼやき先生:正確にいうと、DNAの一次構造を変えて遺伝情報を狂わすのがイニシエーションということなのさ。

迷ホラ吹き:DNAの一次構造?

ぼやき先生:随分前の話だが、遺伝子がアミノ酸のつなぎ方を書いてあるだけという話から、地球上の生き物の祖先はたった1個の細胞だという話につながった時、4つの「塩基が出てきたのを覚えているかな?

迷ホラ吹き:「えんき」? サッパリ覚えていません。遺伝子にアミノ酸のつなぎ方が書いてあるだけというのは、驚いたのでよーく覚えていますけどね。

媚多眠氏:DNAを縄梯子にたとえて、縄梯子の梯子段に当たる部分が塩基で、そこが遺伝暗号になっているなんて話をしたじゃありませんか。

迷ホラ吹き:あ〜、DNAの二重ラセンのことですね!

媚多眠氏:そうですよ。DNAはちょうど、ねじれた縄梯子のようになっているので二重ラセンと言われ、その梯子段の部分が「塩基」だということでした。

迷ホラ吹き:そこのところはサッパリ分からなかったです。

ぼやき先生:良い機会だから、少し分かってもらおうか。

迷ホラ吹き:はは、ホントに少しでイイですからね…。

ぼやき先生:こういうことは遠慮せずに、まず、4種類の塩基の名前を覚えてくれ。

迷ホラ吹き:長い名前はゴメンですよ。

媚多眠氏:短いですから安心して下さい。「アデニン」「グアニン」「シトシン」「チミン」の4つです。

迷ホラ吹き:アデニン・グアニン・シトシン・チミンか。こりゃいいや、一気に言えますね。

ぼやき先生:そして、アデニンはチミンと、グアニンはシトシンと結合しているんだ。他の結合の仕方はないから安心してくれ。ということだ。

媚多眠氏:アデニンがA、チミンがT、グアニンがG、シトシンがCです。

迷ホラ吹き:なるほど。AとT、GとCが結合しているんですね。それで?

ぼやき先生:つまり、縄梯子の梯子段の部分は必ず「AとT」か「TとA」か「GとC」か「CとG」になっているということさ。

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発ガン二段階説-4

迷ホラ吹き:あれ? 「AとT」か「TとA」って、同じじゃないんですか?

ぼやき先生:向きがあるからな。

迷ホラ吹き:縄梯子に向きがあるんですか?

ぼやき先生:縄梯子の梯子段が、真ん中でスパスパと切れたところを想像してみてくれんかな。

媚多眠氏:想像では、地面にまっすぐに置いた縄梯子を切って下さいね。

迷ホラ吹き:え〜と・・・、はい、想像できました。

ぼやき先生:縄についている切れた梯子段が塩基、即ちA、G、C、Tというのはイイかな。

迷ホラ吹き:・・・、オッケーです。

ぼやき先生:その塩基の並びが「TAC」だったら、もう一方の縄梯子の塩基の並びは「ATG」になっているだろう?

媚多眠氏:さっき言った塩基の結合の仕方を思い出して下さい。AはTと、GはCとしか結合しません。

迷ホラ吹き:・・・、な、なるほど。TはA、AはT、CはGと結合だから…。「TAC」には「ATG」になりますね。

ぼやき先生:そして、この3つ並びの塩基が暗号になっていて、1つのアミノ酸を指定する、3つ並びの塩基を「コードン」とか「コドン」というんだな。

媚多眠氏:今のTACは、大切な含硫アミノ酸「メチオニン」のアンチコードンですね。

迷ホラ吹き:アンチコードン?

ぼやき先生:DNAは、縄梯子の梯子段が切れたときに暗号が読み出されるんだ。実は縄梯子の梯子段が切れた状態を「DNAの開裂」というんだがね。

迷ホラ吹き:DNAの開裂! 急に専門的になりますね!!

媚多眠氏:そうですが、生命の根幹に関わるドラマチックなところですから頑張って下さい。

ぼやき先生:地球上の生き物は、DNAが開裂して暗号が読みだされるんだが、ここで出てくるのが「RNA」という暗号情報を実行するための核酸さ。「リボ核酸」のことなんだがね。

迷ホラ吹き:そ、そのリボ核酸とか言うRNAがDNAの暗号を読みだすんですね?

ぼやき先生:そういうことさ。ただしRNAの場合はチミンの代わりに「ウラシル」という塩基が使われる。「」ってことさ。つまり、開裂した部分のDNAに「TAC」とあれば、RNAは「AUG」という塩基配列を作りだすということなんだ。

媚多眠氏:DNAのアンチコードンから読み取られたRNAの塩基配列でタンパク合成は実行されるので、「AUG」がメチオニンコードンだということになるのです。

ぼやき先生:だいぶ遠回りをしたが、DNAの暗号部分、つまり塩基配列を「DNAの一次構造」というのさ。ここを変えられたら、如何にまずいかが理解できるだろう?

迷ホラ吹き:はい。でも・・・少しでイイって言ったのに・・・。

(2002年4月)

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