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おしゃべり分子栄養学 27
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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基底膜とIV型コラーゲン-1

迷ホラ吹き:前回は、転移の話に入る前に終わってしまったような・・・。

媚多眠氏:そうでしたね。ポイントは、まず細胞同士はフィブロネクチンでくっついているということ、そして、細胞の足場になっている基底膜の主成分はIV型コラーゲンだということでしょうか。

迷ホラ吹き:そして、沍^にしてもIV型にしてもビタミンCが足りてないとコラーゲンを作ることが出来ないってことでした。

媚多眠氏:つまり、タンパク質ビタミンCが必要に足りるだけないと、しっかりした細胞の足場、つまり丈夫な基底膜は作れないということでしたね。

ぼやき先生:ところで、なぜ基底膜が細胞の足場になるかというと、細胞の表面にあるフィブロネクチンがコラーゲンにもくっつく性質を持っているからなんだな。

迷ホラ吹き:フィブロネクチンは細胞どうしをくっつけるだけじゃなくて、細胞を基底膜にもくっつけているってことですね。

ぼやき先生:うむ。細胞は、フィブロネクチンによって基底膜のIV型コラーゲンにくっついているということさ。

媚多眠氏:ということは、フィブロネクチンが無くなったら、細胞は基底膜から離れていきそうでしょう。

迷ホラ吹き:そういえば、細胞がガン化するとフィブロネクチンが無くなるなんて言ってたような・・・。

ぼやき先生:実はフィブロネクチンという物質は水溶性のものもあり、細胞膜だけじゃなくて血液や体液中にもあるんだ。

媚多眠氏血漿フィブロネクチンですね。それは、どんなことをしているんですか?

ぼやき先生血栓をつかまえたり、細菌をつかまえたり、血管の傷を治したりするらしいんだな。

迷ホラ吹き:イイヤツなんですねえ。

ぼやき先生:動物実験では、血中に入ってきたガン細胞をやっつける働きもあるんだと。

迷ホラ吹き:ブラヴォー!

ぼやき先生:さて、喜んだところでガンの転移を考えてみようか。

媚多眠氏:まず、細胞がガン化すると膜のフィブロネクチンが無くなるということでしたね。

ぼやき先生:そうすると、ガン細胞は基底膜にくっついていられなくなるだろうな。

迷ホラ吹き:基底膜から離れちゃうわけですね。

ぼやき先生:それが転移の第一歩ということだな。

迷ホラ吹き:なるほど。


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基底膜とIV型コラーゲン-2

媚多眠氏:次は、基底膜から離れたガン細胞がどうなるかということですね。

迷ホラ吹き:血管の中に入って血流に乗るんじゃないですか?

ぼやき先生:そういうことなんだな。血液リンパ液の中に入るということだ。

迷ホラ吹き:その流れに乗って、あちこちへ転移するということなんですね。

ぼやき先生:そういうことなんだが、血液やリンパ液の中に入るには血管やリンパ管の壁を破らなければいかんだろう。

迷ホラ吹き:そりゃあ、そうなんでしょうね。

ぼやき先生:血管やリンパ管の壁は基底膜で出来ているんだから、それを壊さねば血液やリンパ液の中には入れないということだ。

媚多眠氏:基底膜の基本構造は、IV型コラーゲンなんですよね。

迷ホラ吹き:ハイハイ、コラーゲンを壊すものは何だってんでしょう?

媚多眠氏:良く分かりましたね。何ですか?

迷ホラ吹き:へへへ、ぼくを見くびっちゃぁ、いけませんよ。

媚多眠氏:とんでもない。

迷ホラ吹き:コラーゲンがタンパク質だってことくらい知っていますからね。

媚多眠氏:その通りです。

迷ホラ吹き:タンパク質を壊すものといえば、タンパク分解酵素でしょう!

ぼやき先生:お見事、と言いたいところだが、それでは今一つなんだな。

迷ホラ吹き:えっ、自信あったのになあ。

ぼやき先生:コラーゲンは丈夫で、緻密な構造を持っているため普通のタンパク分解酵素では壊すことが出来ないんだ。

迷ホラ吹き:ふ〜ん。

ぼやき先生:コラーゲンを壊すものは「コラゲナーゼ」と言って、特別なタンパク分解酵素なんだな。

迷ホラ吹き:コラゲナーゼねぇ…。

媚多眠氏:タンパク分解酵素は、プロテイン分解酵素ということで「プロテアーゼ」といったでしょう。今度は、コラーゲン分解酵素だから「コラゲナーゼ」です。

迷ホラ吹き:なるほど。

ぼやき先生:ここで、そのタンパク分解酵素の話を思い出して欲しいんだな。

迷ホラ吹き:…と、おっしゃいますと?

ぼやき先生PIタンパクのことさ。

迷ホラ吹き:ああー、愛は抑制って話ですね。

媚多眠氏:良く覚えてますね。

迷ホラ吹き:そりゃあ、もう。つまり、タンパク分解酵素の働きを抑制するタンパクがあるって話のことですよね。

ぼやき先生:そういうこと。同じようにコラゲナーゼには、その働きを抑えるタンパク質がはりついているって事なんだな。

媚多眠氏:つまり、IV型コラーゲンにはIV型コラゲナーゼがくっついていますが、そのIV型コラゲナーゼには「IV型コラゲナーゼインヒビター」がはりついているということですね。

迷ホラ吹き:IV型コラゲナーゼインヒビターってのが、IV型コラーゲン分解酵素抑制タンパクってわけですね。ああ、長い名前…。

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基底膜とIV型コラーゲン-3

ぼやき先生:その長い名前の抑制因子は、骨や軟骨で作られて分泌されているんだ。

媚多眠氏:IV型コラゲナーゼにIV型コラゲナーゼインヒビターがしっかりはりついていれば、基底膜の基本構造はくずれないということが分かりますか?

迷ホラ吹き:基底膜の基本構造は、IV型コラーゲンだって言ってましたからね。

ぼやき先生:基底膜の基本構造がくずれなければ、ガン細胞が血管やリンパ管にたどりついても、それを通過することは出来ないということになるだろう。

迷ホラ吹き:IV型コラゲナーゼインヒビターは、とても大切だってことになりますね。

ぼやき先生:その大切なIV型コラゲナーゼにはりついているIV型コラゲナーゼインヒビターがはずれるのは、どういう時か分かるだろう?

迷ホラ吹き:IV型コラゲナーゼインヒビターが壊れる時です。

媚多眠氏:何に壊されるのでしょう?

迷ホラ吹き活性酸素ですね。

媚多眠氏:そういうことです。活性酸素によって1個でも電子が引き抜かれたら、IV型コラゲナーゼインヒビターは壊れてしまいます。

ぼやき先生:つまり、IV型コラーゲンのところに活性酸素がくるとIV型コラゲナーゼインヒビターが壊れてはずれ、IV型コラゲナーゼが働きだしてしまう。すると、IV型コラーゲンを基本構造に持つ基底膜は破れてしまうんだ。

媚多眠氏:これは、血管壁やリンパ管癖が壊れて穴が開くということです。

迷ホラ吹き:ガン細胞はそこから入り込んで、血中に乗って身体中にまわるってことですね。

媚多眠氏:そういうことになるでしょうね。

迷ホラ吹き:なんて、恐ろしい!

ぼやき先生:ここまでが転移の第2段階だな。

媚多眠氏:血液やリンパ液の流れに乗ったガン細胞が転移するには、また血管やリンパ管の外に出なければいけないでしょう。

迷ホラ吹き:そうですね。

ぼやき先生:それが第3段階ということなんだが、血液は必ず心臓を通って肺に送られるから、ガンの転移はにおきやすいんだな。

迷ホラ吹き:ふ〜む。

ぼやき先生:それと、大腸を流れる血液は門脈から肝臓へ送られることになるので、大腸ガンは肝臓に転移しやすいってことさ。

媚多眠氏:血管やリンパ管の外に出たガン細胞が、またどこかの組織の基底膜にとりつくのが転移の最終段階ということになるわけですね。

迷ホラ吹き:第3段階の、ガン細胞が血管から外へ出るときも血管の基底膜が壊されるということですか?

ぼやき先生:当然、IV型コラーゲンが分解されなければ外へは出られんだろう。

媚多眠氏:血管の中に入るときと同じように、活性酸素がIV型コラゲナーゼインヒビターから電子を引き抜いて壊すところから始まることでしょう。

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基底膜とIV型コラーゲン-4

ぼやき先生:まずいことに、ガン細胞がたえずIV型コラゲナーゼを分泌しているなんて話もある。

媚多眠氏:そのIV型コラゲナーゼでIV型コラーゲンを分解し、基底膜に穴をあけるということですね。

迷ホラ吹き:そ、そんな! それじゃ、IV型コラゲナーゼインヒビターで基底膜を守っていてもダメじゃないですか。

ぼやき先生:これは、ガン細胞にとっては実にうまい話なんだが、それだけじゃあ不公平ってもんだろう。IV型コラゲナーゼインヒビターは血中にもあるんだな。

迷ホラ吹き:えぇ…。 ってことは?

ぼやき先生:ガン細胞が分泌するIV型コラゲナーゼを、血中のIV型コラゲナーゼインヒビターが抑制してくれるだろうということだ。

迷ホラ吹き:そういうことは、はやく言って下さいよ。

媚多眠氏:この話、少しづつゆっくりと、と希望したのは迷ホラさんじゃないですか?

迷ホラ吹き:まあ、そうなんですが…。あ…、でも、血中のIV型コラゲナーゼインヒビターは量が少ないからあてにできない、なんてどんでん返しがあるんじゃないでしょうね?

媚多眠氏:疑心暗鬼になっているみたいですね。

ぼやき先生:ワハハハ、まあ、疑ってかかるというのはいいことだ。

迷ホラ吹き:で、どうなんですか?

ぼやき先生:尿に含まれているくらいだから、血中のIV型コラゲナーゼインヒビターはタップリあると考えていいだろう。尿に含まれるということは、血中で余ったからだと考えることができるからな。

迷ホラ吹き:オシッコにも含まれているんですか。

媚多眠氏:むかし、自己尿を飲む「尿療法」なんてのがありましたが、あれはIV型コラゲナーゼインヒビターに期待していたんでしょうか?

ぼやき先生:それは知らんが、排泄物を飲む健康法なんぞに頼るよりは、ここでも活性酸素を考えたほうが合理的だと思うんだな。

迷ホラ吹き:おえー、気持ち悪い。ぼくも活性酸素を考えることに賛成。

ぼやき先生:気持ちの問題ではないんだが、まあ、賛同を得られてよかった。IV型コラゲナーゼインヒビターの敵は活性酸素と考えられるのだから、血中でも活性酸素に出会えばIV型コラゲナーゼを抑え込む力を失うだろう。

迷ホラ吹き:すると、ガン細胞は得意になってIV型コラゲナーゼをぶっぱなし、基底膜に穴をぶちあけることになるってことですね。おっそろしい。

媚多眠氏:「基底膜」は「フィブロネクチン」「IV型コラゲナーゼインヒビター」とともに、大切なキイワードだってことです。

2002年12月

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