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おしゃべり分子栄養学 30
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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ガン抑制遺伝子-1

媚多眠氏:前回のラス遺伝子の話は、点突然変異の話でした。

迷ホラ吹き:そうでしたっけね。たった1個の塩基が変わってしまうってんで「てん・とつぜん・へんい」。

媚多眠氏:1個の塩基が変わっただけで、原ガン遺伝子ガン遺伝子になってしまうという大変なことになったのですが、理解できましたか?

迷ホラ吹き:1個の塩基ってのは遺伝暗号の塩基ってことで、それが変わると出来上がるアミノ酸も1個変ってしまうんですよね。

媚多眠氏:そうです。アミノ酸に対応するコードンが変わるということですからね。

迷ホラ吹き:すると、アミノ酸がつながって出来ているのがタンパク質ですから、出来上がるタンパク質の形が変わってしまうと。

媚多眠氏:そのとおりです。

迷ホラ吹き:形が変わると調節がうまくいかなくなり勝手に動き出してしまう、ということでしたよね。

媚多眠氏:そういうことですね。

ぼやき先生:実は、点突然変異というのはしょっちゅう起こっているはずなんだ。

迷ホラ吹き:ええー! そうなんですか!?

ぼやき先生:遺伝子を含むDNAはいくつもの塩基が綿々とつながったものだが、環境からの変異原や複製ミスなどにより、多くの点突然変異があちこちに起こっているはずなんだな。

迷ホラ吹き:ふ〜ん。

ぼやき先生:にもかかわらず、ガンになる人とならない人がいるだろう?

迷ホラ吹き:そうですねぇ・・・。

ぼやき先生:つまり、ほとんどの点突然変異は無害なものだと言えるんだが、例えば運悪く、ラス遺伝子の35番目の塩基配列がグアニンからチミンに変わるという点突然変異が起こると、ガン化が進むということなんだ。

迷ホラ吹き:ふ〜む。ガン細胞はエリートだなんて話を思い出しますね。

媚多眠氏:ガン化を防ぐガン抑制遺伝子による制御もあるので、そう簡単にはガンにならないわけですが、今回はその話をお聞きしましょう。

迷ホラ吹き:ガン抑制遺伝子ってのは、さぞや良い遺伝子なんでしょうね。

ぼやき先生:では、その期待通りの遺伝子を一つ紹介しよう。

迷ホラ吹き:お願いしま〜す。

ぼやき先生:「guardian angel」というニックネームを持つ「p-53」というガン抑制遺伝子さ。

迷ホラ吹き:「ガーディアン・エンジェル」とは、どんな素晴らしい天使様ですか?

媚多眠氏:「守護天使」と言った意味でしょうか。

迷ホラ吹き:おお、たぶん、かわいそうな僕に御加護を!


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ガン抑制遺伝子-2

ぼやき先生:何がかわいそうだか知らんが、このp-53は2つの重要な働きをしているといえるんだ。少々込み入った説明になってもいいかな?

迷ホラ吹き:おお、やはり、本当にかわいそうな僕に御加護を!!

媚多眠氏:ハハハ、そういう意味だったんですか。

ぼやき先生:ここで、確認なんだが遺伝子が動くとか働くというのは、その指令によって作られるタンパク質が働くという意味なんだな。よってp-53という遺伝子の働きも、その遺伝暗号を読み取って作られるタンパク質が働くという意味になる。

迷ホラ吹き:ええ、分かっていますよ。

ぼやき先生:それで、p-53遺伝子から作られるタンパク質を「P-53タンパク質」と呼ぶんだ。

迷ホラ吹き:了解です。

ぼやき先生:では、そのP-53タンパク質の働きをざっと説明しよう。

迷ホラ吹き:お願いします。

ぼやき先生:まずは、細胞に司令を出す指揮官として働いているということなんだ。

媚多眠氏:それがブレーキにたとえられる働きということなのでしょうか?

ぼやき先生:まあ、そういうことなんだが、それを理解するためには細胞周期というのを理解しなくてはならないんだな。

迷ホラ吹き:ああ、きっとその細胞周期ってのが、込み入った説明になるんでしょうね。

ぼやき先生:泣きそうな顔だな。細胞周期というのは細胞分裂周期のことなんだが、込み入った説明は後回しにしておこうか。

迷ホラ吹き:おお、ガーディアン・エンジェル!

媚多眠氏:な〜に言ってんだか。
これは、ガン細胞の特徴の話と関係があるんじゃないでしょうか。

迷ホラ吹き:ガン細胞の特徴といえば、不死性異常増殖でしたね。

ぼやき先生:うむ、異常増殖の方に関係しているってわけだな。P-53タンパク質はDNA上の細胞増殖を司る遺伝子部位に結合して、その暗号の読み取りを調節していると考えたら良い。

迷ホラ吹き:それは、細胞増殖をするときに働く遺伝子が動かないようにブロックしているということですね。

ぼやき先生:そう、細胞が勝手に増殖しないように調節していると言って良いだろう。

迷ホラ吹き:なるほど。

ぼやき先生:それで、P-53タンパク質が壊れてしまったらどうなるか、ということなんだな。

迷ホラ吹き:今までの知識を思い起こすと、タンパク質が壊れるということは形が変わるということですよね。

ぼやき先生コンホメーションが変わってしまうということだな。

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ガン抑制遺伝子-3

媚多眠氏:すると、どうなるでしょう?

迷ホラ吹き:ブロックが外れてしまうんじゃないでしょうか。

ぼやき先生:その通り。
P-53タンパク質はDNAと結合できないコンホメーションになってしまうということなんだ。

迷ホラ吹き:そして、細胞増殖をするときに働く遺伝子が動き出すということですね。なんだかこのパターンは、前に聞いたことがあるような気がしますよ。

媚多眠氏:何でしょう?

迷ホラ吹き:そうだ! PIタンパクタンパク分解酵素の関係です。

ぼやき先生:それに気づけば万々歳だ。

迷ホラ吹き:ということは、P-53タンパク質の形を変えてしまう犯人は活性酸素ということですね?

ぼやき先生:その通り。

媚多眠氏高タンパク食活性酸素対策が、いかに重要かが理解できたことでしょう。

迷ホラ吹き:う〜ん、活性酸素についてはもう一度勉強し直さなくっちゃ。

媚多眠氏:殊勝な言葉が出たところで、ガン抑制遺伝子「p-53」についてもう一度まとめていただきましょうか。

迷ホラ吹き:是非ともお願いします。

ぼやき先生:まずp-53遺伝子から作られるP-53タンパク質は、DNA上の細胞増殖を司る遺伝子部位に結合しているんだな。細胞が勝手に異常増殖をしないように調節しているということだ。

媚多眠氏:結合しているということは、細胞増殖遺伝子が動かないように抑制しているということですね。

迷ホラ吹き:ハイ、分かります。

ぼやき先生:このP-53タンパク質が活性酸素にやられると、コンホメーションが変わってDNAと結合できなくなってしまうんだ。

媚多眠氏:形が変わってしまい、P-53タンパク質が抑制部位から離れてしまうということです。

ぼやき先生:すると、増殖遺伝子の抑制がはずれるということになるわけだろう?

媚多眠氏:増殖抑制のブレーキが効かなくなるということですね。

ぼやき先生:増殖遺伝子は増殖のためのタンパク質をいくらでも作り、その細胞は異常増殖を始めることになるということさ。

迷ホラ吹き:なるほどねぇ。感心しちゃいますね。

ぼやき先生:感心するのは、次の話を聞いてもらってからにしようか。

迷ホラ吹き:いよいよ込み入った話をするつもりですね?

ぼやき先生:P-53タンパク質は監督であり、実戦の司令塔でもあるって話さ。

迷ホラ吹き:監督とか司令塔って、何だかサッカーの話みたいですね。

媚多眠氏:ああ、それは良いたとえかもしれませんよ。監督にしても、中田英寿ベッカムみたいな司令塔役にしても、その役割を放棄したらサッカーにならないことでしょう。

迷ホラ吹き:なるほど。ではでは、ジーコ監督と中田選手の働きをおうかがいするとしましょうか(^^ゞ

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ガン抑制遺伝子-4

ぼやき先生:ワシには良く分からん話だが、細胞分裂について少しは理解しないといかんということなんだ。

迷ホラ吹き:細胞分裂って、1個の細胞が2個になることでしょう?

ぼやき先生:それはそうなんだが、単純に細胞が分裂するといっても、いろいろな過程を経ないといけないんだ。

媚多眠氏G1期から期、続いてG2期を経て期、そしてまたG1期に戻るという周期があるという話ですか?

迷ホラ吹き:ナ、ナンジャ、そりゃあ!?

ぼやき先生:単純な細菌の細胞と、真核生物の細胞分裂の過程は違うということさ。

迷ホラ吹き:ふ〜ん。単純な細菌なら、簡単に分裂しますか?

ぼやき先生:簡単と言ったってそれなりの過程はある。

媚多眠氏:分裂する前に、細胞内でDNAが複製されなくっちゃ話になりませんよ。

迷ホラ吹き:それはそうですね。

ぼやき先生:細菌の細胞では、まず分裂に先立ってDNAが複製されると細胞全体の容積が拡大されるんだ。

迷ホラ吹き:すると?

ぼやき先生:約二倍の大きさになると細胞の中央にくびれが入り、二つに分かれるのさ。

媚多眠氏:その時、複製されて二つあったDNAも、それぞれ二つの細胞に分配されるということですね。

迷ホラ吹き:なるほど。で、僕たちの細胞は違うってんですね?

ぼやき先生:核の中にDNAを収めている真核生物になると、もっと複雑な過程があるんだ。

迷ホラ吹き:それがさっきの『G1期からS期』とか言っていたやつですか?

ぼやき先生:そういうことなんだな。

迷ホラ吹き:何だか、難しそうな気がしますよぉ・・・。

媚多眠氏:複雑なだけで、難しくはないですよ。

ぼやき先生真核生物のDNAは核を持たない原核生物のDNAと違って、ヒストンという名のタンパク質に巻き付けられて「染色体」という構造をとっているんだ。

迷ホラ吹き:せんしょくたい!

ぼやき先生:ヒストンに巻き付いたDNAはさらにコイル状に巻き、それがもう一度コイル状に巻くという三段階のコイルを形作っているんだな。

媚多眠氏:その三段階コイルになったDNAが折りたたまって、染色体になっているということなんですよ。

ぼやき先生:次回はいよいよp-53理解のために、細胞周期の話に入るぞよ。

迷ホラ吹き:お手柔らかに・・・。

2003年5月

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