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おしゃべり分子栄養学 32
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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p-53とアポトーシス-1

媚多眠氏細胞周期の概略は大丈夫ですか?

迷ホラ吹き:細胞周期の大切な時期として、細胞が2つに分裂するM期や分裂する前にDNAが2つに複製・合成されるS期があるけど、その前の準備期間であるG期もけっこう大切だってことを理解すればいいのでしょう?

媚多眠氏:そういうことですね。

ぼやき先生:細胞が分裂するにあたっては、いろいろな監視機構が働くんだな。

迷ホラ吹き:監視機構?

ぼやき先生:単純に細胞が分裂するといったって、DNAの複製やら紡錘体の形成やら染色体の整列分配など、間違いを起こしそうな精密な過程が多くあるんだ。

迷ホラ吹き:紡錘体なんて聞いたことないような言葉もありますが、まあ、職人技みたいなことをやってるってことですね。

媚多眠氏:そんなところです。それで、いくつかチェックポイントを設けてミスを監視しているということです。

ぼやき先生:そのチェックポイントでは《DNAにキズがついていないか》、《酸素は充分にあるか》、《ウイルスが感染して発ガン遺伝子が活性化されていないか》、《細胞の大きさは充分か》、《栄養が充分にあるか》なんてことが審査されているのさ。

迷ホラ吹き:へー、そりゃ、立派な審査ってもんですね! で、その審査にパスしないと、どうなるんですか?

ぼやき先生:当然、そこで細胞周期は止められるだろう。

迷ホラ吹き:な〜るほど。そういったことに、ガーディアンエンジェルが関わっているということですか?

ぼやき先生:そういうことなんだが、もう少し詳しい説明は必要だろう。

媚多眠氏:細胞の中では、分裂を進めようとする物質や抑えようとする物質が絶妙に働いているんですよね。

ぼやき先生:うむ。全てを登場させると複雑で理解しにくくなるだろうから、p-53の働きの理解に役立つ程度の説明をしておくことにしよう。

迷ホラ吹き:単純明快に、お願いしま〜す。

ぼやき先生:細胞分裂周期を推進する物質としてCDKという酵素がある。これは普段は不活性なんだが、サイクリンという物質によって活性型に変わるんだな。

媚多眠氏:因にCDKは「cyclin dependent protein kinase」の頭文字を取ったもので「サイクリン依存性タンパク質リン酸化酵素」という意味になります。

迷ホラ吹き:それは、CDKって酵素にサイクリンってものがはたらくと、CDKが何かをリン酸化するってことですか?

ぼやき先生:その通り。非常にものわかりがよろしい。

迷ホラ吹き:でも、だからなんだって感じで、意味はサッパリ・・・。


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p-53とアポトーシス-2

ぼやき先生:CDKがリン酸化するものの一つに、DNAポリメラーゼがあるといえば分かりよかろう。

迷ホラ吹き:DNAポリメラーゼって、DNA合成酵素のことでしたっけ?

媚多眠氏:そうです。

ぼやき先生:CDKにサイクリンが結合して活性化すると、CDKはDNAポリメラーゼをリン酸化して細胞周期がS期に進み、DNAの複製が始まるということなのさ。

迷ホラ吹き:つまりリン酸化ってのが、活性化するってことですか?

ぼやき先生:そう考えてよかろう。

迷ホラ吹き:なるほどね。

ぼやき先生:実際はDNAポリメラーゼだけでなく、DNA複製に関する酵素群全てがリン酸化されるとと言うことなんだが、細胞周期は酵素活性化不活性化の周期でもある、ということが分かるだろう。

迷ホラ吹き:酵素の活性化と不活性化ねぇ。分かりましたけど、ガーディアンエンジェルのp-53はまだですか?

媚多眠氏:もう少しの辛抱です。

ぼやき先生:細胞分裂周期を推進する物質としてCDKの話をしたが、今度は抑制するほうだ。

媚多眠氏:CDKの働きを邪魔するものということでしょうか。

ぼやき先生:そう。さっき話した通り、CDKはサイクリンと結合して活性化するわけだが、そのサイクリンに結合してサイクリンをCDKと結合できなくしてしまうものがあるんだな。

迷ホラ吹き:ふ〜む。CDKの活性化を邪魔するってことですね。

ぼやき先生:それがP-21タンパク質というものなんだが、これが働いているとG1期からS期への進行は阻止されることになるってわけさ。

迷ホラ吹き:今度は「P-21」!

ぼやき先生:そのP-21タンパク質が働くように司令を出すのが、お待ちかねの「P-53タンパク質」なんだな。

迷ホラ吹き:イヨォ、待ってました。p-53!

ぼやき先生:P-53タンパク質は、細胞のDNAにキズがついていないか、ガンウイルスが感染していないか、酸素が充分にあるか、なんてことをチェックするんだ。

迷ホラ吹き:イヨォ、大統領。ガーディアンエンジェル!

ぼやき先生:その時、その細胞が分裂に適当でない状況にあると判断が下った場合、P-53タンパク質は、P-21タンパク質を活性化してCDKを働けなくする。

迷ホラ吹き:バンザーイ!

媚多眠氏:大変お喜びのところ申し訳ありませんが、その意味が理解できましたか?

迷ホラ吹き:へっ? ついに、というか、やっとガーディアンエンジェルのP-53が出てきたんで嬉しくて・・・。

媚多眠氏:働きを理解してから喜んで下さいよ、全くぅ。

迷ホラ吹き:は、はい。シ、CDKを働けなくするんですから・・・。

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p-53とアポトーシス-3

媚多眠氏:細胞分裂周期が停止する、ということですよ。

迷ホラ吹き:そういうことになりますね。

ぼやき先生:そのようにして細胞分裂周期を停止させて、状況が改善するのを待つわけなんだな。

迷ホラ吹き:状況が改善するのを待つ?

媚多眠氏:キズがあれば修復したり、酸素が不足していればその供給を待ったり、ウイルスに感染していれば不活化したりということでしょう。

迷ホラ吹き:それで改善すると、細胞回転周期はまたまわりはじめるということですね。

ぼやき先生:そういうこともあるんだが、ガンウイルスに感染した細胞はp-53によってアポトーシスが引き起こされるんだ。

迷ホラ吹き:アポトーシス!!

媚多眠氏:おぼえていますか?

迷ホラ吹き:これはショックだったので、良くおぼえています。細胞の自殺ですね。

ぼやき先生:ガンウイルスに感染していたり、状況が非常に悪いと判断が下ったときに、P-53タンパク質はその細胞をアポトーシスに導くということなんだな。

迷ホラ吹き:ガーディアンエンジェルが自殺幇助、ですか。

媚多眠氏:増えては困る細胞を抹殺するということだから、立派にガーディアンエンジェルじゃないですか。

ぼやき先生:P-53タンパク質は染色体の破損や、その正しい配列が出来ているかどうかも監視しているし、DNA二重らせんのたった一ヶ所にキズがあっても、それを関知して細胞分裂周期を止めるんだ。

迷ホラ吹き:精度がいいんですね!

媚多眠氏:もし、p-53遺伝子が働かなくなったらどうなるでしょう。

迷ホラ吹き:正常なP-53タンパク質がつくれなくなるってことですね。

ぼやき先生:すると、例えばキズついたDNAを持つ細胞をいくらでも複製してしまうということになるから、突然変異率は高くなるだろう。

迷ホラ吹き:うむむ・・・。

ぼやき先生:さらに、アポトーシスを起こすべき細胞が死なずに増殖を繰り返すので、ガンの発生につながるというわけだな。

迷ホラ吹き:ひぇ〜!

媚多眠氏:実際、p-53遺伝子の異常によるガンは、ガン全体の半分くらいはあるのですよ。

ぼやき先生:ガンウイルスに感染した細胞は、p-53遺伝子が正常なら、その働きによってアポトーシスが起り死んでしまうわけだ。しかし、ウイルス側から考えると、自分の宿主が死んでしまうのでアポトーシスはよくないと言えるだろう。

迷ホラ吹き:そういうことになりますね。

ぼやき先生:そこで、細胞に感染するとP-53タンパク質を素早く破壊してしまうなんてウイルスもあるんだな。

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p-53とアポトーシス-4

媚多眠氏:これは、細胞の正常なアポトーシスを阻止するということです。

迷ホラ吹き:アポトーシスによって死ななきゃいけないような、ちゃんと働けない細胞が、どんどん増えることになるという意味ですね。

ぼやき先生:そう。つまり、制御ができなくなった異常な細胞が増殖してガンになってしまうことになる。

媚多眠氏子宮頚ガンの主因であるパピローマウイルスは、P-53を分解してアポトーシスを阻止しているし、多くの腫瘍細胞ではP-53タンパク質の設計図であるp-53遺伝子を不活化してアポトーシスが起きなくなっているようですね。

迷ホラ吹き:なんてこったい!

ぼやき先生濾胞性Bリンパ腫を引き起こす遺伝子として、日本人により1985年に発見された「bcl-2」なんてのもある。

迷ホラ吹き:「びーしーえる2」? それはガン遺伝子ってことですね。

ぼやき先生:それまでのガン研究は増殖促進という面から進められていたし、実際、ガン遺伝子は増殖能を高めるものが多いんだ。しかし、このBcl-2タンパク質は増殖因子には関係なく、アポトーシスを抑制する働きがあるということだったんだな。

媚多眠氏メラノーマや転移しやすい悪性のガンでは、bcl-2を過剰に産生してアポトーシスを阻止しているなんてことがあるそうです。

迷ホラ吹き:ムムム・・・。

ぼやき先生:上にはうえがいるもので、EBVというリンパ腫に関するウイルスはなんとBcl-2にそっくりな物質をつくってアポトーシスを邪魔しているんだ。

迷ホラ吹き:な、なんと・・・。

ぼやき先生:それだけじゃないぞ。

迷ホラ吹き:まだ悪さを・・・。

ぼやき先生:そいつは、宿主細胞がBcl-2をつくるのを促進する物質までつくっているというんだな。

媚多眠氏:つまり、二重の意味でBcl-2を多くしてアポトーシスを阻止しているということですね。

迷ホラ吹き:まるで知性を持った生き物のよう。憎き策略家じゃないですか!

ぼやき先生:このように細胞周期とアポトーシスとガンは密接な関係があり、そこでp-53はとても重要な働きをしているということが理解できるだろう。

媚多眠氏:だから、その機能が正常に働くためには、過剰な活性酸素による障害を最小限に抑えなければならないという話があったわけですね。

迷ホラ吹き:p-53のためにも、酸化を防ぐものは多く食べろってことですね。

媚多眠氏イチョウ葉エキスユビキノンビタミンCビタミンEなどのサプリメントはうまく利用しろってことですよ。

ぼやき先生タンパク質を忘れてはいかんがね。

2003年9月

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