カスケードモデル2-1 媚多眠氏:カスケードモデルとその意味は理解できましたか? 迷ホラ吹き:段々滝のそれぞれの段にある水車が代謝を表現していて、ビタミンが足りてないと、段の下の方の水車は回らないってことですよね。 ぼやき先生:前回は、コルチゾール合成代謝とコラーゲン合成代謝のたとえで話を進めただろう。それをコルチゾールとインターフェロンに置き換えると、もっと現実味を帯びた話ができるかもしれんな。 迷ホラ吹き:その場合、どっちの段が上になるんですか? ぼやき先生:それは人によって違うわけだが、例えばインターフェロン合成代謝の確率的親和力の方が大きいとすると、どうなる? 迷ホラ吹き:インターフェロンの段が、コルチゾールの段より上になるってことですね。 ぼやき先生:その人が大量のウィルスに侵されたら? 迷ホラ吹き:インターフェロンの段の水車が、ぐるぐる回って仕事をします。 ぼやき先生:その時、ビタミンCが十分に足りていなかったら? 媚多眠氏:ビタミンCが十分に足りていない時は、全てのビタミンCがインターフェロンの段の穴に流れ込んでしまう、なんてことが本当にあるんでしょうか? ぼやき先生:理論的にはある、ということだな。 媚多眠氏:では、そこに強いストレスでもかかったら、その人はバンザイ状態ということですね。 迷ホラ吹き:次の段までビタミンCが届かなくて、ストレスがかかってもコルチゾールの水車は回らないってことですね。 媚多眠氏:そういうことになりますね。ストレスに対抗出来ないということは、致命的なことです。 ぼやき先生:しかし、ビタミンCがたっぷりあれば下の段まで流れて水車が回り、何の問題もなかろうってことなんだな。 迷ホラ吹き:な〜るほど。 ぼやき先生:次に、逆の場合も考えて見よう。 迷ホラ吹き:逆? 媚多眠氏:コルチゾールの段がインターフェロンの段よりも上にある場合を考えて見よう、ということですよ。 迷ホラ吹き:あ、そうか、どっちの段が上かは確率的親和力によるってことで、それは人によって違うって話ですものね。 ぼやき先生:そう。それとさっきのたとえ話は、ウイルスとストレスに同時に襲われた場合を考えているということなんだが、それも理解してくれているかな? 迷ホラ吹き:ハイハイ、分かっていますよ。 媚多眠氏:では、コルチゾールの段が上にある人の場合、ビタミンCが十分に足りていなかったらどうなりそうですか? 迷ホラ吹き:コルチゾールの水車はぐるぐる回るけど、インターフェロンの水車は回らないってことになりますね。 媚多眠氏:ということは? |
カスケードモデル2-2 迷ホラ吹き:ストレスには対抗できるけど、ウィルスにはお手上げってことですか。 媚多眠氏:そういうことになりますね。 ぼやき先生:引っ越しのあとでカゼを引くなんてのは、こういう人たちだろうってことなんだ。 迷ホラ吹き:そういえば、まさにぼくの友人がそうでしたよ。 ぼやき先生:ウィルス性疾患といえば、カゼもヘルペスも肝炎もエイズもあるわけだが、それらの初期防衛に手抜かりがでるということなんだな。 迷ホラ吹き:あらら、ウィルス性の病気はたくさんありますね。それら全てに弱くなるってことなんでしょうか? 媚多眠氏:インターフェロンが出来ないということですから、基本的にはそういうことになりますね。 迷ホラ吹き:下の段の水車が回るまで、たっぷりとビタミンをとらなくては大変ですね。 ぼやき先生:どの段の水車もちゃんと回るほどビタミンが大量にあれば、段の順番は問題ないわけだが、ビタミン不足だと大問題になるということなんだな。 迷ホラ吹き:ウ〜ン、カスケードモデルは、ビタミンはバランスでなく“量”が大切だって問題を、とても分かりやすく示してくれますね。 ぼやき先生:カスケードモデルの優れているところはそれだけじゃないぞ。 迷ホラ吹き:なんでしょう? ぼやき先生:確率的親和力による個体差の問題さ。 媚多眠氏:コルチゾールの段かインターフェロンの段か、どちらが上に来るかという問題ですよ。 迷ホラ吹き:あ、そうか。ストレスにやられるかウィルスにやられるかは、人によって違うってことですネ。 ぼやき先生:何回も言うが、これはビタミンがたっぷりあるときは関係ない。 媚多眠氏:ビタミンCの取りかたが少ない場合に問題があるということですね。コルチゾールの段にしろインターフェロンの段にしろ、上の段の水車を回すのに全て使われてしまい、次の段まで流れないわけですからね。 ぼやき先生:そうなると、ビタミンC不足という同じことが原因でも、出てくる症状には個体差があり、人によって違ってくるということがよ〜く理解できることだろう。 迷ホラ吹き:こりゃ、見事なもんですね。 ぼやき先生:それが分かってもらえれば万万歳だ。 迷ホラ吹き:どの代謝の段が上か下かってことは、ビタミンがたっぷりあれば問題ないけど、足りてないと大問題になるってことですものね。 媚多眠氏:個体差をも含めて、ビタミンの大量摂取のメリットを説明してくれるのがカスケードモデルなんですね。 |
カスケードモデル2-3 迷ホラ吹き:なるほど。こんなことを考えつくなんて、三石巌って人は天才的ですね。 媚多眠氏:さっき、引っ越しの後カゼを引くなんていう話がありましたが、もし、コラーゲン合成の段がその下にあれば、ぎっくり腰なんてのも出てくることでしょう。それでも最下段まで流れるほどビタミンCがたっぷりあれば、その人はカゼも引かずぎっくり腰にもならずにすむということですね。 迷ホラ吹き:ウ〜ン、説得力ありますね。 ぼやき先生:カスケードモデルが説明する内容をとても良く理解してくれたようで嬉しいんだが、実際はもっと複雑なんだな。 迷ホラ吹き:やっぱリね。そう簡単に終わる話だとは思いませんでしたよ。 媚多眠氏:最近、話の先が読めるようになってきたんですねぇ。 迷ホラ吹き:かといって、塗り箸でナマコをはさむような話はゴメンですよ。 媚多眠氏:なんですか、それは? 迷ホラ吹き:特に酔いが進んでから酒の肴として出されるとネ、トホホ・・・。 媚多眠氏:な〜んだ、難しい話はゴメンという意味ですか。赤ら顔の迷ホラさんが、ぐい飲み片手にナマコを塗り箸で挟もうと奮闘している光景を想像してしまいましたよ。ハハハ・・・。 ぼやき先生:それで、複雑な話のことなんだが・・・。 迷ホラ吹き:へいへい、お聞きしますよ。 ぼやき先生:実は、先ほどのコルチゾール合成代謝にかかわっているビタミンは、Cだけじゃないんだな。 媚多眠氏:ああ、そう言われてみれば、ビタミンEも関係していますね、確か。 迷ホラ吹き:ということは・・・? ぼやき先生:当然、ビタミンEのカスケードも絡んでくるということなのさ。 迷ホラ吹き:2つのカスケードが絡み合っているとなったら、それは確かに複雑ですね。 ぼやき先生:複数のカスケードというだけでなく、さらに、若いか年寄りかなんてのも考慮しなくてはいけない場合があるんだな。 媚多眠氏:それはどういう意味でしょうか? ぼやき先生:活性酸素絡みの話なんだ。 迷ホラ吹き:またしても出ましたネ、活性酸素。 ぼやき先生:前にエネルギー産生の話をしたときに、どうしてもスーパーオキサイドという活性酸素が出来てしまう話をしたんだが、覚えているかな? 迷ホラ吹き:覚えてますとも。 ぼやき先生:ウム。では、その処理はどうなっていたかな? 迷ホラ吹き:SODです。まずは、スーパーオキサイドをやっつけてくれる酵素SODの出番となります。 ぼやき先生:それですんなりいくのが若いときの話だっただろう? 媚多眠氏:では、SOD活性が落ちている場合の問題ということですね。 迷ホラ吹き:分かってますよ。食事として、つまり、口から入って活性酸素をやっつけてくれる低分子抗酸化剤とやらのことでしょ。確か、ビタミンにもいくつかあって…、 あ! CやEはその筆頭だって勉強しましたけど「活性酸素をやっつける」ってのはカスケードの段に加えられるんですか? ぼやき先生:そこに問題があるということなんだな。 |
カスケードモデル2-4 媚多眠氏:なるほど。エネルギー代謝に絡むビタミンといえばコエンザイムQを筆頭にいろいろあるでしょうが、ビタミンCは絡んでいませんね。 迷ホラ吹き:そうなんですか。で、活性酸素は? ぼやき先生:エネルギー代謝で発生する、SODで除去されるべきスーパーオキサイドが全てSODで除去されるのなら、ビタミンCのカスケードにエネルギー代謝は含まれないということになるだろう。 迷ホラ吹き:フムフム。 ぼやき先生:しかし、SODで除去しきれないとビタミンCも利用されるだろうから、エネルギー代謝にもビタミンCがかかわることになってしまう、ということなんだ。 媚多眠氏:それがSOD活性の落ちた年寄りだと言いたいんですね。 迷ホラ吹き:若いか年寄りかでカスケードの段の数が違っちゃうんですね。 ぼやき先生:やっかいなこったな。 迷ホラ吹き:先生までそんなこと言っちゃって・・・。 ぼやき先生:ところで、カスケードの全ての穴にいつもビタミンが流れ込んでいるわけではない、ということは分かるかな? 迷ホラ吹き:そ、そりゃあ、そうでしょうね。だって、ストレスがないときはコルチゾールは要らないわけだから、その段の穴は塞がっていることでしょう、きっと。 媚多眠氏:そうですね。ウィルスがいなければインターフェロンの穴は閉じていることでしょう。 ぼやき先生:必要に応じて、閉じたり開いたりするということなんだな。 迷ホラ吹き:フルート吹きが、楽器の穴を正確に閉じたり開けたりして綺麗なメロディを奏でるようなものですね。失敗するとメロディにならず雑音になりますが、その指令はどこから来るんでしょうか? ぼやき先生:勿論DNAの遺伝子部分からなんだが、その開閉自在の穴と水車を持ったカスケードの材料こそ重要なものなんだ。何か分かるかな? 迷ホラ吹き:アラ、それは考えたことがありませんでしたが・・・、先生が重要だってんなら、たぶんタンパク質でしょう。 ぼやき先生:御名答! 媚多眠氏:タンパク質がなければカスケード自体が成り立たないことになりますから、いくらビタミンがあっても仕事、つまり代謝は行われないということですものね! ぼやき先生:その通り。いくらビタミンがあっても、タンパク質がなければ話にならないんだ。この重要なことまでも良く説明できるのが、カスケードモデルの優れたところと言えるんだな。 |