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おしゃべり分子栄養学 5
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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自分で作るコレステロール-1

媚多眠氏さて、悪者扱いされるコレステロールの本当の働きですが、前回の復習は大丈夫でしょうね。

迷ホラ吹きまかしてください。身体にとって、とても大切なのがコレステロールなんですから。

媚多眠氏うーん、心強い返事ですね。

迷ホラ吹き:1. 細胞膜の材料になる。 2. ホルモンの原料になる。 3. 胆汁になる。

媚多眠氏いいぞ!

迷ホラ吹きしかも、食べるコレステロールの何倍かの量を、自分の身体で作っているんですよね。タマゴ2〜3個のコレステロールの量なんか自分で作っている量に比べれば、ドーッテコトありません!…よ…ね。

ぼやき先生そう、その通りだから、最後まで自信を持って言ってくれ。コレステロールを食べると、肝臓はその分、自分で作らなくていいので負担が軽くなるともいえるんだ。

迷ホラ吹きなるほど、そういうことか。

ぼやき先生:HDLで回収された余分のコレステロールは、肝臓で『胆汁酸』に変えられ『レシチン』と混ぜ合わせられる。さらに、余ったコレステロールをそこにぶち込むってわけさ。この時『タウリン』だ『グリシン』だと、アミノ酸が関係するんだが、ややこしくなるのでやめておこう。ただ、これらアミノ酸を含むタンパク質が大切だってことは押さえておいてくれ。

媚多眠氏タウリンとグリシンはともかく『レシチン』の説明をお願いします。

迷ホラ吹きレシチンって、聞いたことはありますね。

媚多眠氏『やせ薬』として売られたこともありますからね。

迷ホラ吹きあっ、そうかぁ。

媚多眠氏レシチンのチンは『THIN』と書いて『やせた』って意味があるんです。

迷ホラ吹きへえー。

媚多眠氏でも、ここではその話はおいといて、基本的な話を先生にお願いします。

ぼやき先生レシチンという名前は通っていても、それが何かは知らんという人は多いからな。

媚多眠氏そうですね。

ぼやき先生コレステロールが細胞膜の材料になるってことは重要なんだが、細胞膜で圧倒的に多いのは『リン脂質』という柔らかいアブラなんだな。

媚多眠氏細胞膜の主成分として『リン脂質』は重要だってことです。

迷ホラ吹きはいはい、リ・ン・シ・シ・ツですね。

ぼやき先生その細胞膜のリン脂質は、大部分がレシチンなんだな。

迷ホラ吹きじゃあ、レシチンってのはリン脂質の一つってことですか?

媚多眠氏そういうことになりますね。


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自分で作るコレステロール-2

ぼやき先生:タマゴ大豆に多く含まれるレシチンは、食用かつ消化可能な界面活性剤といわれ、アブラを乳化するのにも利用されるんだ。ところで、『胆石』ってのを聞いたことはあるかな?

迷ホラ吹きあるある、ありますよ。すご〜く痛いんですってね。

ぼやき先生胆のう』にためておいた胆汁の中にできた石が胆石なんだが、これはレシチンが足りなくてコレステロールの固まったものなんだな。

迷ホラ吹きレシチンが足りなくてってことは、レシチンがたっぷりあれば胆石にならないってことですか?

媚多眠氏その確率が高いってことですね。

迷ホラ吹きお医者様は教えてくれますか?

媚多眠氏栄養に関することですからね、自分で勉強しなくちゃダメでしょうね。お医者様に頼ってばかりではダメってことですよ。

ぼやき先生レシチンの正式名称は『フォスファチジルコリン』という。

迷ホラ吹きエッ? フォス…なんですって?

媚多眠氏フォスファチジル・コリン! 変なカタカナ覚えるの、得意なんでしょう?

ぼやき先生まあ、そうイジメなくてもよかろう。『コリン・リン脂質』という言い方もあるんだ。

迷ホラ吹きコリン・リン脂質ね。うん、これは覚えやすい。

ぼやき先生しかも、リン脂質にコリンが付いているということで、意味も分かりやすい。

迷ホラ吹きなるほど。でも、『コリン』って何ですか?

ぼやき先生ビタミンに近い栄養物質で結構大事なものなんだが、ここではとりあえずそういう名前の物質だ、とだけ覚えておいてくれ。

媚多眠氏他に『イノシトール・リン脂質』とか『セリン・リン脂質』、『エタノールアミン・リン脂質』などもあります。

ぼやき先生さて、レシチンによって固まることなく捨てられるコレステロールは、胆汁として十二指腸へ出ていくわけだが、何とその99%は小腸から再吸収されるというんだな。

迷ホラ吹きせっかく捨てたのに、また吸収しちゃうんですか。

ぼやき先生肝臓から腸、腸から肝臓というふうに循環するので『腸肝循環』というんだがね、結局コレステロールは必要なものだから無駄なく再利用しようという、生体の合目的性によるんだな。

媚多眠氏そこには、胆汁として捨てたもののほかに、胃や腸の粘膜のはがれ落ちた細胞に含まれるコレステロールや、食べ物からくるものが含まれるわけです。

迷ホラ吹きなーるへそ。それで、胆汁として捨てたものやはがれ落ちた細胞に含まれるコレステロールの量に比べると、食べ物からくるコレステロールの量はたいしたことないってことなんですね。

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自分で作るコレステロール-3

ぼやき先生その通り。なかなか飲み込みの早い優秀な生徒だ。

迷ホラ吹きえへへ、ガンコなイシアタマじゃないですからね。

ぼやき先生んん? その目つきと妙な言い方が気になるな。

媚多眠氏ウオホン! 全然気にしないでください。それより、再吸収で肝臓の負担が軽くなるんですよね。

ぼやき先生ああ? ああ、そうだ。再吸収の量によって、肝臓で合成されるコレステロールの量は調節されるので、多く吸収したときは作る量を減らせばいいってことになる。コレステロールの合成には、けっこう手間ヒマかかるからな。

迷ホラ吹き手間ヒマかかる?

ぼやき先生体内でのコレステロールの合成経路には、化学反応の段階がいくつもあって、いっぱいエネルギーを使うんだな。エネルギーだけじゃない。タンパク質やらビタミンやら栄養物質も利用される。つまり体内では、減るってことなんだがね。

迷ホラ吹き身体でコレステロールを作るときに栄養が減るんですか。

媚多眠氏私たちは栄養を使って生きているんじゃないですか。

迷ホラ吹きそりゃ、そうですが。

ぼやき先生よけいに栄養が減るってことなんだが、それだけじゃない。『活性酸素』の発生もあるんだ。

迷ホラ吹きカッセイ・サンソ?

ぼやき先生特別に酸化力の強い酸素のことなんだが、詳しくは後で説明しよう。

媚多眠氏とにかく、コレステロールを肝臓で作るには手間ヒマかかるということですね。

ぼやき先生そう、だから人間などの雑食動物は、食べたコレステロールの量によって体内で作るコレステロールの量を調節しているわけなんだな。

媚多眠氏:草食動物は、必要量の全部が自家生産だから大変なんですよ。

迷ホラ吹きウサギさんのことですね。

媚多眠氏ウサギが出てきたところで、コレステロールの怖い話をしていただきましょうか。

迷ホラ吹きえっ! やっぱりコレステロールは怖いんですか?

媚多眠氏それは、話を聞いてのお楽しみ。

ぼやき先生迷ホラ吹きさんは、前に、コレステロールと聞いたらすぐに動脈硬化といったんだが、動脈硬化をおこしている血管を調べてみると、そこには実際、ちゃんとコレステロールがたまっているんだな。

迷ホラ吹き動脈硬化は、やっぱりコレステロールが原因だったんですか。

ぼやき先生そう考えた人が多かったということだ。

迷ホラ吹きふ〜ん。

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自分で作るコレステロール-4

ぼやき先生そして、そのことを後押しすることになる実験を、ロシアアニチコフがしたんだ。今から60年以上前の話なんだがね。彼は、ウサギにタマゴを食べさせてみたんだな。すると、見事に血中コレステロール値が上がったってわけさ。

媚多眠氏そこで、タマゴを食べるとコレステロールが上がって動脈硬化になる、という話が広まったわけです。

ぼやき先生ところが、ネズミではタマゴを食べさせてもコレステロール値は上がらないんだな。どうしてか、分かるかな?

媚多眠氏ヒントは、ネズミや犬は何でも食べる雑食動物だってことです。

迷ホラ吹きええ、ええ、ちゃんと話を聞いてましたよ。雑食動物は食べたコレステロールによって、身体で作るコレステロールの量を調節しているってことでしょう。上がるわけないですよね。

ぼやき先生そうだな。そして、草食動物のコレステロールが100%自前だってことは、食べるエサにはないってことだ。草食動物のエサは植物だから、コレステロールなどないのは当然だろう。

迷ホラ吹きトーゼンです。

ぼやき先生そういう動物にコレステロールの入ったエサを与えたのが、アニチコフの実験だったわけなんだな。無理があるとは思わんかい?

媚多眠氏今では専門家で、タマゴでコレステロールが上がるなんていう人はいないのに、まだそれを信じている人が多いという嘆かわしさです。

迷ホラ吹きよく分かりましたけど、それでは、どうしてコレステロールが高くなるんですか?

ぼやき先生ウム、これからその話をしようとしたところだ。LDLHDLを覚えているかな?

迷ホラ吹きおぼえてますとも。LDLは肝臓で作ったコレステロールを身体中の細胞に届けるもので、HDLは逆に細胞で余ったコレステロールを肝臓に戻すものでしょう。確か『リポタンパク』とかいうタンパク質でしたよね。

ぼやき先生よかろう。そのうちのHDLで肝臓に運ばれたコレステロールは胆汁酸にかえて処理しているって話なんだが、この代謝がうまくいかないと、また血中に逆戻りってわけさ。それが肝臓から出ていくときはLDLだったろう。これが増えるってわけだ。それから、ビタミンCが足りてないと胆汁酸にかえる代謝はうまくいかないってこともわかっている。

迷ホラ吹きまたしてもですか。要するにビタミンCが足りてないと、コレステロールが胆汁酸にかわらないため、コレステロール値が上がるってことですか?

ぼやき先生そう。それから、胆石の話の中でレシチンが出てきたが、実はビタミンEが足りなくても石になりやすいっていう話もある。

迷ホラ吹き今度はビタミンEですか。

ぼやき先生身体が健康を維持するための調節には、いろいろな栄養素がからんでいるってことなんだが、特にビタミン必要量の個体差が大きいってことを知らないといかん。

媚多眠氏栄養は『バランス』ではダメなんですね。

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