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おしゃべり分子栄養学 29
某フィルハーモニー管弦楽団所属<
迷ホラ吹き>さん、分子栄養学研究者<ぼやき先生>、
ぼやき先生を尊敬する薬店主<
媚多眠氏>による健康談義です。
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ガン遺伝子-1

媚多眠氏:ガンの転移に関する話は如何でしたか?

迷ホラ吹き:ちょっと複雑でしたが、大切なのは丈夫な基底膜を持って、その基底膜が壊されないように努力すれば良いということでしたね。

媚多眠氏:その基底膜は、IV型コラーゲンプロテオグリカンラミニンで出来ているということでした。

迷ホラ吹き:そうそう、基底膜のつくりはゴチャゴチャしているんでしたよね。いちいち理由のあるゴチャゴチャ。

媚多眠氏:そうです。そのゴチャゴチャしている基底膜をつくるための栄養条件は?

迷ホラ吹き:まずはタンパク質。そして、ビタミンCです。

媚多眠氏:それはコラーゲンのための栄養条件ですね。

ぼやき先生:プロテオグリカンやラミニンのためにビタミンAが欠かせないことも覚えておいたほうが良かろう。

迷ホラ吹き:では、タンパク質ですね。

媚多眠氏:次は、その基底膜が壊されないようにするために大切なことは何か、ということです。

迷ホラ吹きIV型コラゲナーゼインヒビターが大切っだって話ですね。

媚多眠氏:そうです。それが活性酸素にやられることが二重の意味で良くないということでした。

迷ホラ吹き:それは、IV型コラゲナーゼが働きだして基底膜を壊してしまうということと、何でしたっけ?

ぼやき先生:ガン細胞への血管新生を阻害することができなくなる、ということさ。

迷ホラ吹き:血管新生を阻害?

媚多眠氏:ガン細胞のまわりに毛細血管が出来るのを邪魔して、栄養源を断つということですよ。

迷ホラ吹き:ああ〜、そうでした。

媚多眠氏:そして、その栄養条件としてイチョウ葉エキスビタミンCユビキノンなどの抗酸化物質の積極的な摂取によりIV型コラゲナーゼインヒビターを活性酸素から守ることは、とても意味深いということなのです。

迷ホラ吹き:良く分かりました。
ところで、ガン遺伝子ってのを聞いたことがありますが、ガン遺伝子がガンの原因で、それが遺伝するということじゃないんですか?

ぼやき先生オンコジーン

迷ホラ吹き:な、なに? ウンコジジイ!?


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ガン遺伝子-2

媚多眠氏:何をバカなことを言ってるんですか! オンコジーンですよ。

迷ホラ吹き:し、失礼いたしました。・・・で、何のことですか?

媚多眠氏オンコは腫瘍とかガンという意味、ジーンは遺伝子のことです。つまりガン遺伝子ということですが、そういえば、ここまでのガンの話にはガン遺伝子が出ませんでしたね。

ぼやき先生:では、今回はガン遺伝子の話に入ることにするが、DNAと遺伝子の関係や遺伝子は何をしているか、なんて話を思い出してくれると理解に役立つことだろうな。

迷ホラ吹き:はいはい、分かりましたけど、まずは、さっきの質問です。ガン遺伝子が遺伝してガンになるんですか?

ぼやき先生:それは、違うといえよう。

迷ホラ吹き:違うんですか。

媚多眠氏:ガン遺伝子は70種類以上見つかっているんですが、そんなに単純な話ではないんですよね。

ぼやき先生:さらにガン抑制遺伝子というのもあって、両者を合わせてガン遺伝子と呼ぶこともあるんだな。

迷ホラ吹き:ガン遺伝子はガンをつくる遺伝子で、ガン抑制遺伝子はガンになるのを抑える遺伝子ということではないんですか?

ぼやき先生:微妙に違うんだな。

媚多眠氏:ガン遺伝子はもともと人間が持っている遺伝子で、「成長遺伝子」であり「増殖遺伝子」であることが分かっているんですよね。

ぼやき先生:ガン遺伝子が活性化されてガン化のアクセルが踏まれるとガンになり、細胞がガン化しないようにブレーキをかけて抑えているのがガン抑制遺伝子だと考えたら良い。

迷ホラ吹き:なるほど。

ぼやき先生:ガン抑制遺伝子が不活性化するとブレーキが効かなくなり、ガン化が進むとも言えるだろう。

迷ホラ吹き:分かりますけど、さっき僕の言ったこととどう違うんですか?

ぼやき先生:つまり、アクセルが踏まれたりブレーキが効かなくなることはガンの原因ではなく、ガン化への引き金が引かれた状態だということなんだ。

迷ホラ吹き:・・・。

ぼやき先生:媚多眠さんがさっき言っただろう? もともと人間が持っている遺伝子だと。

迷ホラ吹き:はあ・・・。

ぼやき先生:ガン遺伝子がガンの原因なのではなく、アクセルを踏んだりブレーキを壊したりしてガン遺伝子を活性化させる何者かが、ガンの原因だということなんだな。

媚多眠氏:ガン遺伝子もガン抑制遺伝子も、本来は細胞を正常な状態に保つために必要なものだということなんですよ。

迷ホラ吹き本来は細胞を正常な状態に保つために必要なもの!?

媚多眠氏:そうです。

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ガン遺伝子-3

迷ホラ吹き:う〜ん。そういうことだったんですか。

ぼやき先生:両遺伝子とも、細胞の分化や増殖を調節するための大切な遺伝子なんだな。

媚多眠氏:もともとは大切な働きがあるのに、勝手に動きだすとガンを作り出すということで「ガン遺伝子」と名付けられたんですね。

迷ホラ吹き:勝手に動きだす前は大切な働きをしていたって言うんなら、勝手に動きだす前と後を区別したほうが良いんじゃないですか?

ぼやき先生:その通り。
勝手に動きだす前は「最初の」という意味の「プロト」という接頭語をつけて、プロトオンコジーンという。

媚多眠氏:最初のガン遺伝子と言う意味で「原ガン遺伝子」なんて言いますね。

迷ホラ吹き:なんだ。やっぱり「ガン」という名前はついているんだ。

ぼやき先生:その原ガン遺伝子の代表的な「ラス遺伝子」について、マウスでの実験があるので紹介しようか。

迷ホラ吹き:ラス遺伝子? どんな実験ですか?

ぼやき先生:マウスの受精卵にガン患者からとったラス遺伝子を注射して、生まれたマウスがどうなるかということだな。

媚多眠氏:生まれた子どもマウスは、全ての細胞にラス遺伝子を持つことになります。

ぼやき先生:こうして育ったマウス49匹のうち、23匹がガンになったというんだ。

迷ホラ吹き:それは、同じラス遺伝子とやらをもらっても、ガンになったマウスとならないマウスがいたということですね。ガンになったマウスのラス遺伝子は、勝手に動き出していたってことでしょうか?

ぼやき先生:ウム。実際にマウスのDNAを調べてみると、ガンになったマウスのラス遺伝子は、特定の部位で突然変異を起こしていたというんだな。

媚多眠氏:つまり、ラス遺伝子を持っていても、それが突然変異を起こさなければガンにはならないということなんですね。

迷ホラ吹き:ちょっと待って下さい。ということは、突然変異を起こすことが勝手に動き出すということなんですか?

ぼやき先生:なかなか良いツッコミをするようになったな。

迷ホラ吹き:いえ、褒めてもらって恐縮ですが、これは素直な疑問なので・・・。

ぼやき先生:実は、原ガン遺伝子が活性化する仕組みはいくつかあるんだが、このラス遺伝子についてはポイント・ミューテーションという突然変異が原因なんだ。

迷ホラ吹き:ポイント・ミューテーション?

媚多眠氏点突然変異のことですね。

迷ホラ吹き:「てん・とつぜん・へんい」?

ぼやき先生:ここで復習だな。遺伝子はDNAの塩基配列が綿々とつながっているものだろう。

迷ホラ吹き:「えんき・はいれつ」・・・?

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ガン遺伝子-4

媚多眠氏:しっかりして下さい。
アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)ですよ。

迷ホラ吹き:ああ! あれか。

ぼやき先生:その塩基3つ並びで一つのアミノ酸に対応する暗号になっている、という話を思い出してくれ。

迷ホラ吹きAUGメチオニンってヤツですね。

媚多眠氏:そうです。
アデニン(A)、ウラシル(U)、グアニン(G)と並んだ塩基配列はメチオニンというアミノ酸に対応しているということなんですね。ただ、RNAではウラシルですがDNAではチミンですから、DNAのコードンはATGということになります。

迷ホラ吹き:DNAにはアンチコードンなんてのがあったような・・・。

媚多眠氏:ポジとネガの関係みたいなものです。

ぼやき先生:そういうことなんだが、今は3つの塩基配列が一つのアミノ酸に対応していて、そのアミノ酸がつながってタンパク質が合成されるということをしっかり思い出してくれれば良かろう。

媚多眠氏::20種類のアミノ酸に対応した暗号があるということですよ。

迷ホラ吹き:そんな話がありましたっけねえ。それで?

ぼやき先生:点突然変異というのは、その遺伝子の塩基配列が1個だけ変化してしまったものを言うんだ。

迷ホラ吹き:1個だけ?

媚多眠氏:そうです。

迷ホラ吹き:それで突然変異って言うんだ! 
でも、どうしてたった1個の塩基が変わっただけで勝手に動き出すんですか?

ぼやき先生:たとえば「GGC」というコードンは「グリシン」の暗号になっているんだが、真中のGがTに変わると「バリン」のコードンになってしまうんだな。

迷ホラ吹き:「GTC」はバリンのコードンってことですね。

ぼやき先生:このラス遺伝子から翻訳されて合成されるラスタンパクは189個のアミノ酸からなるんだが、12番目のアミノ酸の塩基配列が正にこのように変化するとガンを引き起こすことが分かっているんだ。

迷ホラ吹き:189個のアミノ酸っていうと塩基の数はその3倍だから、・・・567個の塩基が並んでいるということで、そのうち、たった1個が変わっただけで?

ぼやき先生:生物作用を発揮するタンパク質はある定まった立体形をとる必要があり、その形が失われると生物作用は失われるということなのさ。

迷ホラ吹き:またまた、ですか!

媚多眠氏:そのタンパク質によって、スイッチオンとオフのような役割をして細胞の成長を調節していたのに、その役割が出来なくなりスイッチオンの状態のままとなってしまうんですよ。

迷ホラ吹き:すると?

ぼやき先生:細胞は無限増殖を続けるということさ。

迷ホラ吹き:な、なるほど・・・。

2003年3月

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